第19話

「行きなさい。壮真。芸能界に行って、自分の思う事をすればいいの」

母親は凛とした顔で言った。

「母さん、壮ちゃんに甘えてた。もう少ししっかりしないとね」

母親の言葉を聞いて壮真は涙ぐんでいる。

「壮ちゃんの人生だもの。壮ちゃんが決めればいいの」

「母さん……母さん、俺、芸能界入ってもいい?」

「もちろんよ」

母親が壮真の手を握ろうとウロウロと手を動かした。

壮真が母親の手を握った。

「ありがとう……母さん」

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