第9話
「にんじんとじゃがいもと玉ねぎ」
壮真はスーパーで母親の言う物をカゴに入れて行った。
「他にはない?」
日曜日は必ず母親と買い物をする。
1週間分の食料だ。
「鶏肉と豚肉もね」
今度は母親が壮真の腕に掴まって精肉コーナーに移動する。
そして壮真が肉をカゴの中に入れた。
「ねえねえ、宮田君がいるよ!」
そこへクラスの女子2人がいたのである。壮真は気付いていない。
「あれって宮田君よね……お母さん?白い杖持ってるって事は目が見えないって事?」
「嘘ー!ショック!」
そして翌日には学年中にその事が広まったのである。
それからラブレターの数もピタリと止まった。
屋上に呼び出される事もなくなった。
壮真は一人息子である。
だから母の面倒を見なければならない。
その事を知った女の子達は、みんな離れて行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます