第5話

自宅に着いた。

白い洋館のようなただ住まいだ。

「じゃあ、私はこれで」

「とんでもない。お茶でも飲んで行って下さ

い」

こうして壮真、母親に次いで優希も玄関に入った。

壮真は直ちにお湯を沸かし始めた。

そしてその間に母の膝の手当てをした。

優希はずっと壮真を見ていた。

包帯を巻く時は優希が押さえて壮真が巻いた。

「ありがとう。助かったよ」

壮真は柔らかな笑顔を見せた。

優希はドキドキしていた。

顔がイケメンなのは知っていたけど、これ程とは思わなかった。

それに笑顔が優しい……

お湯が沸いて壮真が紅茶を淹れた。

優希はカップを受け取った。

4月と言えど夜風は冷たい。

優希は身体の芯から温まるのを感じていた。

「はい。母さんも。気持ちが落ち着くから」

壮真は母親にもカップを渡した。

そして自分も飲んだ。


「さて、家何処?送るよ」

「一人で帰れるから大丈夫です」

「壮真、ちゃんと家まで送るのよ」

母親が言ったので優希は従った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る