第25話
9月に入って歩実の指示の前に必要な下ごしらえの野菜を出せるようになって来た。
注文メモをチェックし、温野菜の野菜とかかぼちゃとかである。
キャベツの千切りも足りなくなる前に分かるので歩実にキャベツの千切りを依頼する。
"心、最近コツが分かって来たね"
歩実が笑顔になった。
「歩実、この肉じゃない。奥の肉だ」
「はい、すみません」
きびきび動く歩実も叱られる事は多い。
2人のウェイトレスの子の管理をするのも歩実の仕事だ。
交代で週に2度ずつ休みを取る。
火曜日は定休日なので他に1回だ。
歩実が休みの日はキャベツの千切りやレタスやプチトマトを準備して皿に並べるのは心の仕事だ。
やってみるとなかなか難しい。
しかも皿洗いと両方なので大変だ。
歩実の有難さがよく分かる。
厨房の助手はもう1人、日曜日、祭日の人がいる。空いている時は、料理も運ぶが気が利かない。
キチンとした料理学校を卒業しているのだ
が……
「治!何やってるんだ!皿が出てないじゃないか!料理が冷める!」
「すみません、すぐ」
そう言ってキャベツの千切りをし出す始末である。
慌てて盛るから汚い。
「こんなのお客さんに出せるか!もういい!心の方がよっぽど役に立つ」
シェフはキャベツの千切りを盛り付け、プチトマトを添えた。そこにチキンカツを並べる。
そして和風ソースを掛けた。
ウェイトレスに言う。
「これ、すぐ持って行って。お待たせしてるから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます