第26話
「パティシエになるから横浜へ行きたいですって?大学は如何するの?」
母親が驚きを隠せない顔で笑里を見る。
「まずはこれを見てよ」
笑里は持っていた入学案内のパンフレットを父親に見せた。
十六夜調理師製菓専門学校の入学案内である。
「何も横浜まで行かなくても大分にもあるでしょ」
「調理師と製菓両方学べる所は少ないわ」
「でもパティシエになるのなら製菓学校でいいんじゃないの?」
「今、両方を兼ね備えた人材を求めてるって聞いたし」
笑里は必死に両親を説得した。
「大分で充分だ」
父親も折れない。
「私、横浜でパティシエとしての経験を積みたいの。十六夜で勉強したいの。学校の趣旨が気に入ったのよ」
父親と母親は顔を見合わせた。
「お願い、お父さん、お母さん」
「笑里がそこまで考えていたとはね」
2時間の説得の後、ようやく両親は折れた。
"そうか。お父さん達の許可が下りたんだ。良かったな、笑里"
笑里が十六夜に行ける事を心にメールした所、早速返事が返って来た。
"来年の春から一緒ね"
"ああ。楽しみにしているよ"
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