■ 幼年期の終わり

思い出の記憶を閉じると時が走り出した。


全ての記憶の扉がゆるりと動き出す。

どこかの歯車が音をたてて回る。

回転してゆく記憶の世界。弧を描いて加速してゆく扉。

記憶の波がドバッと押し寄せた。



捜索。山。落胆。学校。先生。沈黙。

友達。絶望。大人。無能。執念。落胆。現実。

日常。日常。日常。日常。日常。摩耗。


卒業。


ゴーンゴーンと大きな鐘の音がなった。

どこかの歯車がカチリと大きな音をたてた。

そして目の前に一つの扉が現れる。


ためらう手で記憶の扉を開く。


これは中学生の僕か?

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