第31話 告白まであと少し
一郎の父であるTANAKA Build Agency代表
――ジャジャジャジャーン!
――ジャ、ジャ、ジャジャーン!
一夫のポケットからベートーヴェン
作者であるベートーヴェン曰く――「運命は
一夫もその考えに
その
『もしもし?』
『もしもし、お
『ああ、もちろんだよ。幽子さん』
一夫は手に持っていたペンを
『まずは
家は広いしお
本当に
『なあに、礼には
『………………あの、すいません。お義父さま。お義父さまと呼ばせていただいているのに実は私たち……その、まだ…………』
『え、本当に? あのバカ息子まだ告白してないの!?』
『お義父さま! お言葉ですけど言わせていただきます! 一郎くんはバカじゃありません! ちょっとヘタ――
『きみ、今ヘタレって言おうとしなかった?』
『……してませんけど?』
電話先から調子
これは
きっとセンシティブな
ここまで
『で、でも
『邪魔……というと、やはり?』
『ええ、いました。あの家を
幽子は事の
『
『ええ、自分とまったく同じ
『その
『ちょうど今私の下で
――ギュエエェェェェッ!?
電話向こうで変な声が聞こえた。
おそらく幽子が何かしたのだろう。
『あ、
――ちょっと!
――私がっ! 一郎くんのお義父さまとっ! 話してるでしょうがっ!
――っていうかっ! あなたがっ! あの時っ! 邪魔しなければっ!
――私とっ! 一郎くんはっ!
――あーもうっ! 思い出したら腹立ってきた!
――今夜あなたで一人かくれんぼするから。
――今から腹を
――儀式の最後に死なないレベルでめった
一夫は彼女との
『お待たせしました。えーと、あのお屋敷なんですけど、事件を起こしていた真犯人はこの通り
『ありがとう幽子さん。本当に助かったよ』
『いえいえ♪ こちらこそ
『また
『もちろんですっ! っていうか超ウェルカムなので! いつでもいくらでもお
『うん、それじゃ今後ともよろしくね。そうだ、
『あ、いりません。そもそもまだ私
お金をもらってしまったら、それは仕事になってしまう。
免許もない
業界中から
プロ
『そういうわけなのでお気持ちだけで』
『でもなあ……ちゃんとした仕事にはそれに見合った報酬を
『本当にお気持ちだけで
電話が切れた。
一夫は
彼女は一体、何をあげれば
……
…………
………………
数時間後――、
「一郎くん、ここはやっぱりA5和牛のステーキ肉3kgだと思うの」
「ステーキなら家で焼くよりプロに
――ワォン。(ペタッ)
「ロクは最新式の空気
一郎、幽子、ロクの二人と一匹は、一郎
本のタイトルは最高級
一郎の父、一夫が
今回のお礼に何でも好きなものを
「空気清浄機ねえ……ならルンパの方が良くないかな?」
「あー、確かに。毎日
――ワゥゥ……。
「そんなに落ち込まないで。空気清浄機は別に買いましょ。ね?」
「っていうかさ、よく考えたら一個に
「あ、確かに。じゃあ、今言ったの全部もらっちゃいましょうか」
「それがいい。親父も
「なら、A5和牛に完熟マンゴーセットが一つずつと、空気清浄機とルンパが二つって送っておくわね」
「ん? 何で二つ?」
「私の部屋用。悪霊とか悪魔がいると空気が
あと
さすがは
「ねえ、ゴールデンウィーク後半どうする?」
「そうだなあ……」
発送を終えた幽子がそう
前半で旅行を終えているため、一郎的にはゆっくりと
「一郎くんさえ良ければだけど、この
そういえばそうだった。
なんかもう、
何だかんだで幽子と自分は、出会ってまだ一ヶ月
「わかった。いいよ。案内する。
「ホント? ありがと♪ 一郎くんとのデート、楽しみにしてるね」
「デ、デートじゃないから!」
一郎は
デートという言葉に
女の子
「え……? デートじゃないの?」
「う……」
――ワフゥ……。
「ロ、ロクまで……」
飼い犬の
一人と一匹からの無言の
「ご、ごめん……デート、です」
一度
「で、でも! あんま
「それでもいいわよ。一郎くんと一緒に過ごす時間が、何より一番
――特別なところに行かなくてもいい。
――特別な相手と過ごすことが何より大事。
一郎の中で幽子への
一郎が勇気を出せる日は、割とすぐそこまで来ているのかもしれない。
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《お知らせ》
今回の更新で第二部完結です!
最終章は1月5日から公開予定となっています!
最終章完結は1月下旬の予定です!
ワケありマニアの幽子さん 塀流 通留 @UzukuSouhei
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