第26話 『いる』のか『ある』のか
しかし、それはあくまで見た目だけ。
見える者が
通常、人間は
本日一郎は運動をすることはしたが、激しいと言うほどのものでもない。
また、食事をした後なので、すでに
それに
「一郎くん……私がいない間に何があったの?」
「ロク、お
――クゥ~ン……
「本当よ。心配なのは分かるけど大丈夫だから。朝になれば
――ワンッ。
幽子にそう言われ、ロクも元気が
先ほどまで続けていた部屋の調査を
「私が向こうに行っている間に、何か見つかった?」
――キュゥ~ン……
幽子の
どうやら何も見つからなかったようだ。
「そう……じゃあ今度は私も
――ワンッ。
「うん、いい
幽子に言われた
幽子もロクに合わせて
入り口
「何も、ないわね……ロク、そっちは?」
――ワゥゥン。
「そう……わかった。ありがとう」
この
――何もない。それ
理由も何もなく一郎が
そこには
通常では考えられない、この現場
「この家にまつわる地元での
急に人の気がごっそりと
ここは噂通り何かが『いる』、もしくは『ある』ということは確定
「そのことを確定させた上で次に考えるのは、その何かは『いる』のか『ある』のか……」
『いる』と
一郎を一年間
その場合、幽子にも幽霊犬であるロクにも
今すぐ一郎を
気配を
しかし現状そうなっていない。
幽子もロクも普通にピンピンしているし、隣の寝室でダウンしている一郎についても、
それを考えると『いる』の線は
では『ある』の線はどうだろうか?
ぐるりと部屋の中を
「部屋の中にあるのは全身が
クローゼットルームに置くのは服や
アクセサリーなどの小物
「前の持ち主が
いわば
そういったものがどこかに
自分の
幽霊犬である
「まあ、そりゃそうか。そんなものがあれば私もロクも、気配や
人が決して入ってはいけない
「そうなると何かが『ある』って線も薄いし……そうなると何もないっていうことになっちゃうし……絶対そんなことないし……」
わからない。
この家に
「部屋の中に何もないなら、家全部を調べるしかないわね。ロク、行こ。朝までにこの家の
――ワンッ!
「あ、この部屋
幽子は部屋の電気を消した時にそれに気づいた。
床から20cmくらいの高さにLEDライトがついている。
部屋を覆うように計六個。
天窓から
「間接照明用のスイッチは……ないんだ。自動なのね、これ」
どうやらこれらの照明はセンサーで
部屋に誰もいなくなれば自然と消える
「………………」
――ワウ?
「あ、ごめんごめん。行こ」
幽子は何か引っ
幽子とロクは、この後数時間かけて家の内部と敷地内をくまなく調べ
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