第22話 初デート
この制度を使って4月最後の連休と、5月
なので、大学生である一郎や幽子たちは、たとえ連休の後にすぐ連休がくると分かっていても、
中には休む学生もいるが、そういった
一時の
「一郎くん、土日の連休だけど
4月最後の連休、ゴールデンウィークの開始直前、授業終了とともにやってきた学食で、
「ああ、特に予定はないけど?」
「ホントに? もう他の
「今年は特にないなあ。サークルからも特別何かをするっていう話は聞いてないし」
「一郎くんサークル入ってたんだ。何サー?」
「何サーと言えばいいんだろうな、アレは? 部室はあるんだけど
「名前は?」
「JS研」
「えらく
「されるような活動をしてたら部室なんてとっくになくなってる。正式名称は『人生のスキマ時間
メンバー全員基本暇人だから、こういう大型連休の時には何かしらイベントをやるのだが、今年は
メンバーも自分を含めて4人と少ないので、今年は全員予定があるのかも――と一郎。
「
「へえ、なんか楽しそうね」
「楽しそうだって? ふ、いつまでそんなことが言えるのか
「何でそんな
「部長
「それ絶対間違ってるから」
「俺もそう思う。部長本人もたぶんそう思ってるけど、先代に自分もやられたから後輩の俺たちにやったんだろうな」
「自分がやられて
「同感。だから俺は今年、新入部員のスカウトはしていない」
あんな
幸いにも今年の新入部員はゼロだし、自分の卒業と同時になくなるだろう。
「それで、土日だったよな。空いてるけど何のお
「決まってるじゃない、デートよデート。
「幽子、俺たちまだ付き合っていなかったような?」
「それは一郎くんの
「いや、過言だろ!? うちの親父は別に付き合うことにはなってもいいけど、付き合うかどうかは本人
「チッ……
一郎の中で幽子のやべー女度が3上がった。
「まあそれはそれとして、一郎くんとデートしたいのよ。別に付き合ってなくても仲の良い男女だったら休日に一緒に遊びに行ったりしてもおかしくないでしょ?」
「そうだな。で、どこに行こうって言うんだ?」
「海」
「海? 季節的にちょっと早くないか?」
「別に
「ほう、
釣りは
待ち時間はのんびり
そして
うん、悪くない連休の過ごし方だ。
「釣りの後はどこかで部屋を借りて料理するの。私、料理得意だから味は
「
「もちろん連れて行くわよ。一人だけお
――アオンッ。
2人の邪魔をしないよう、少し
本当に
「ロクも食べれるように
「当たり前だろ。ボンボン
「十分よ。あー、ホント楽しみ♪ 早く
一郎も同じことを思っていた。
大学に入って二年目の春――そして最初の連休。
長期間
人生初の女の子とのデート。
それもとびっきりかわいくて美人な女の子だ。
中身はちょっとアレだが……まあ、悪い
しかも自分への好感度がとても高いと来ている。
まだ付き合っていないことを一郎自身は
ロクの件で、一郎から幽子への好感度は
そういえば彼女は言わなかったが、部屋を借りる、料理をする――ということは
もしそうだとしたら、これを
先日、手を出して来いとも
もしそうだとしたら――いや、そうでなくとも
一郎は午後の授業がある幽子と別れると、
そして買うべきものを買って
――これで準備
――当日、何があっても大丈夫だ。
一郎はドキドキしながら数日過ごし――デート当日。
幽子とロクを愛車に乗せて海へ行き、釣りを楽しんだ。
午後三時――
幽子のナビに
この後、彼女の作る手料理を
そう、思っていた。
「あの、幽子……ここは?」
「地元で有名な
「ああ……ソウデスカ」
――親父ィィィィィィッ!
一郎は心の中で
「
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