第17話 犬を見つけた話
話は数時間前に
本日の授業をすべてを終えた一郎が
いつものように話のネタにする代わりに、食事代をタダにするという条件でこれにOKした一郎は、
例の
そのせいで参加者男子からのヘイトを買ってしまい、一郎は二次会から締め出されてしまう。
女子たちの残念そうな声を浴びつつ、残り物をいつものようにタッパーに
……
…………
………………
「あれ? 幽子?」
「一郎くん?
「いつものやつだよ。俺をネタにした飲み会。まあ、今回は玉の
「私というものがありながら!
「なあ幽子、知ってるか? 浮気は付き合っている者同士でなければ成立しないということを」
「そのうち付き合うから成立するの!」
「そのうちっていつだよ……まあ、ぶっちゃけそういう可能性が一番高いのはきみではあるけど」
他は明らかに実家の
その点、幽子は財産目当てなのは
はっきりと財産目当てだと口にしているのも
「そ、そう? えへへ……♪ まあ、一郎くんと一番
「そりゃどうも。ところで幽子、腹減ってない? 帰ったら俺の
「食べるぅ♪」
付き合っていない男の部屋に、女子が一人でやってくる。
彼女は
一郎に
いや、よくよく考えたらそんなことには絶対ならないか。
なにせ彼女は
そういった場合、襲われる可能性があるのは幽子ではなく、むしろ一郎の方だ。
「どうしたの?」
「……いや、やっぱりきみの部屋で食わない?」
そのことに気づいたのか、一郎は先ほどの誘いを一部
「私の部屋で? 夜に女の子の部屋に行きたいだなんて、一郎くん
「いや、違うからね!? ホントそういう意味じゃないからね!? ってか、それを言ったらきみだって夜に男の部屋に来るなんて積極的だろ!」
「そうですけど?」
「ああ、うん……そうだったわ……」
彼女は出会った時から積極的だった。
そこにツッコミを入れるのは今さらか。
結局、一郎の部屋で飯を食うということになり、そのために何か飲むものをと、駅前のスーパー(コンビニより安い)でお茶とコーヒー、それから牛乳を
――ヴ……ヴゥ……
「なあ幽子、何か聞こえないか?」
「え、そう? どんな感じのやつ?」
「なんて言うか、うめき声?
「
「そうだな。そうしよう」
「気のせいであって欲しいけどねー」
こういう時に
悪魔超人もビックリな
「じゃあ一郎くんはあっち、私はこっちを探すね」
「
一郎たちは、気のせいかもしれない声の主を探した。
駅前
バスが来る時間ぎりぎりまで。
「んー、これだけ探して見つからないってことは多分気のせいでしょ」
「そうだな。わざわざ付き合ってもらってすまなかった」
「いえいえ、彼女ですから」
「いや、彼女じゃありませんから」
――ヴ……ヴゥゥゥ……
「――ッ!? いや、やっぱ聞こえる! ……声は、あそこだ!」
コンビニ横にあったゴミ捨て場。
大量のゴミ
ゴミ捨て場を荒らすことに、二人は多少の
そして見つけた。
絶対に見つけてはいけないものを。
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