第3話 物部幽子
物部幽子――彼女は一郎と同期の文学部二年で、昨年の大学ミスコン女王。
一郎たちの大学は女子のレベルが高いことで有名なのだが、そのハイレベルな女子たちを押し
本大学は
その上体育の授業では毎回無双をしているので、運動神経も
トレードマークのショートカットに明るい笑顔を
それが彼女――物部幽子である。
……
…………
………………
「
「もが?」
そんな超有名人な彼女と一郎が
一郎が超久々の肉にテンションが上がり、口いっぱいに
「あの……いい、かな?」
「………………」
一郎はこの質問にスルーを決め込み、口の中の肉をゴクンと飲み込んだ後、中ジョッキを片手にビールを流し込んだ。
口の中の
「ねえ!? ちょっときみ!?」
肉とビールに大満足した一郎は、返事を待っていた彼女とようやく会話――などということはせず、唐揚げにレモンを
あー……
「ちょっと!? ねえ!? 隣座っていいかって聞いてるんだけど!?」
「……(ゴクン)。……ングング、ぷはぁ! 別に俺の許可なんていらないだろ? ここはただの飲み屋で合コン会場だぜ? 好きに座ればいいじゃん」
「……きみ、変わってるって言われない?」
「ああ、よく言われる」
色んな意味で。
「私、一応去年のミスコン女王だよ?
「え? 何それ? 何『自分が声をかければ男はあばばばば――ってなるのが当然』みたいな
「……っ! ムッカッツックゥゥゥゥ!
「そうだったのか。それはどうもお
「うわ……目がマジだ。まあそう言わずに付き合ってよ。田中くんって実家がお金持ちって聞いたんだけど? それがどうして食べるのに困ってるの?」
「
「さて、どうしてでしょう?」
幽子は子どもっぽく笑いながらそう言った。
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