第28話「RUN♪ RUN♪ RUN♪」

 バリーン!!


 窓を突き破り、ベランダに躍り出たマイトとレイラ。


「……って、おい! こんな所に逃げても袋小路だぞ!」

 しかも、無駄に高い宿にしたせいで、高さは4階相当──。

「アタシは飛び降りられるけど、マイトはそうはいかないわよねー」

「当たり前だ!! 絶賛レベル1舐めんなよ!!」


 死ななくても、骨折くらいはするわーい!


「ま、そんなときはこれ──」


 ガンッ!

  ガラガラガラガラガラ──!


 レイラがベランダの隅で勢いよく蹴りだしたのは果たして──。


「……って、これは非常はしご?!」

「ええ。むか~し、こうるさい・・・・・召喚者が3階以上の建物に設置を義務付けたのよ────最近の建物はないとこが多いけどね」


 おーう!!

 ナイス、消防法を異世界に持ち込んだ召喚者!!


 そして、アナタの教えは後世には生きていませんが、その教えは無駄にはならなかったようです──まさに今!!


「よっしゃ、先に行くぜ──」

「あ、いいけど──多分、連中も、」


 へへ、こういうのは得意だぜ。

 こうして、梯子の端をもってスルスルーっと、ドスンッ。


「……へっへっへ、また会ったなにーちゃん」

「え、へへ、昨日ぶりっすね……」


 おっふ。


 チンピラBさん、お久しぶりでーす。

 肩の棘パッドがよくお似合いで──。


「ところでリーダーの肩は?」

 あ、誤字じゃないです。とげ棘の肩パッドの肩です。


「ふっ、テメェのせいで兄貴は……兄貴は──」


 おーふ。

 なんか知らんがそりゃ恨まれそう──。


「ってわけで、俺は兄弟と誓ったのさ!! そして、馬鹿め、どうせこうやって逃げてくることくらいう予想────ごっふ!」


 降ってきた小柄な影にあという間に制圧されるチンピラB。

 お、おぉ、レイラッさーん!!


「ばーか、長々喋ってないで、やるならやりなさいよー」

「いや、なんか因縁があったみたいでして──」

「はぁ……。だから、言ったでしょ、待ち構えてるって」

「いや、聞いてない聞いてない!! 聞いてないよー!」


 確かに何か言いかけてたけどぉぉ!

 ……つまり、先走ったマイトさんが全面的に悪いです、はい!


「ん、わかればよろしい──さ~って、連中馬鹿だから、ほとんど内部に入ってちゃったわね──なら、今のうちに」


 ドカーン!!


 レイラがそう言ったところで、ドアの破壊音が響く。

 どうやら部屋に突入したらしいが、そこに──私はいません!!


「そごにいだがぁぁああああ!!」

「いませんって!!」


 早速窓の外に気付いたチンピラC & 『鋼鉄の顎』の連合軍!!


「って、おーい! なんで見張りが全然いないんだよ!!」

「知るか! テメェらこそ、全員で入ってきやがって──馬鹿か!!」


 ぎゃーぎゃーぎゅー!!


 おぉ、なんか知らんが内輪もめを始めたぞ。

 総勢残り──39名ほどがあの狭い空間で言い合いを始めれば時間が稼げるし──そのうちに衛兵もかけつけ…………。






「汚物は──」





「げ!」





   消毒だぁぁあああああああああ!!






 ああああああああ、やばい! やばいやばい!!

 アイツはやばーい!!!



   ボーン!!



 まさに火炎放射器のごとき、魔法が二重で炸裂。

 そりゃ、義手代わりに二本の魔法杖を仕込んでるんだもんな! 魔法も二重発動するわな!!


 そして、いままさに頭上からその火が降って来る所──!


「……って、死ぬぅぅうう!!」

「あーもう、ほら、こっち────」


 ガコンッ!


 いつの間にか姿がないと思ったレイラが、地中からにょきっと顔を出してマイトの首根っこを掴むと引きずり込んだ──って、くっさ!!


「あべし──って、なんだここ?!」

「下水道! うーわ、最悪。服汚れたわ────だけど、逃げるならここしかないわね」


 えぇー。

 時間稼いだらなんとかなるんじゃ……?


「ならないわよ!! 戦線が拡大するだけ! それに街中では衛兵隊も無茶はできないんだから!──そして、当然連中は関係ないけどね!」

「ですよねー!!」


 確かにマイトさんも見てたわ!!

 街中で魔法ぶっ放してくる無茶苦茶さとか──……つーか、あのチンピラCこと「汚物は蝕毒野郎」だいぶ切れてたな?


 もしかして、マイトさんの爆破で、腕とか損傷しちゃってブチ切れてる系?!


「(おおーい下に逃げたぞ!!)」

「(追え、追え、追えぇぇええええええ!!)」


 げー!!

 もう来るの?!


「ほら行くわよ!!」

「わーってるよ!!」


 ばしゃばしゃばしゃ!!


 汚い水を跳ね上げマイトとレイラは闇の奥へと駆けていく──────そして、数十分後。




「うぉぇぇええ、くっせー!!」

「も、もう限界……」


 下水道の水路の終点までなんとか駆け抜けたマイトたち。

 連中の追手も迫ってきているせいで、脇道や上に逃げる隙もなかった。


 レイラだけなら可能だったかもしれないけど、マイトは足だってそこまで早くはない。

 そして、


  がしゃーん……。


 終点を覆う格子状の出口に取りつくと、荒い息をつく。

 目の前の格子の先には街の外を流れる大河が広がっていた。


 どうやら、ここから下水を流しているらしいが、さすがに閉っているな……。


「くそ!! 鍵が──」

「ま、まって今開ける──」


 はぁはぁはぁ。


 息を落ち着けながらも、レイラがキーピックで開錠を試みているが、手が震えてうまくいかないらしい。 


 そして、ついに、



 ばしゃばしゃばしゃ!!


 「(おい、暗いぞ!)」

 「(おい、明るくしろ!)」


  ごぅ!!

   ぼッぼっぼっぼ、ゴゥゥウウウーーー!!


 逃げてきた先の方から火炎の明かりが徐々に近づいてくるではないか!!

 うげげー!


「ひぇー……ア、アイツも追いついてきやがった」


 どう見ても汚物側のくせに、汚物汚物とうるさい火炎ニキことチンピラC。

 そのシルエットが闇の奥から、炎がボウボウと吹き上がる合間合間にチラチラ見える。どうやら、全員で地下に追ってきたらしい。

 さらには、出口が近いのを察してか、追い詰めたことに気をよくして、じっくり仕留めようと言うのだろう────まずいまずい!!


「まだか!!」

「ちょ、焦らせないで──!!」


 いや、そんなこと言われても──……ゾロゾロゾロ。

 数はわからないが相当な人数で追ってきているらしい、レイラ一人で反撃ができる数でもない。


 そして、マイトっさんは戦力外────!!


  パキーン!


「あぁ、もう!!」

「ちょ──どうした?!」


 って、おおおおおい!!


「折れたの!」

「心が?!」

「キーピック!!」


 知ってるよ!!

 でも、マイトさんは心が折れそう!!────────チラリ。



 ぞろぞろぞろ、

 ばしゃばしゃばしゃ



「げへへへへ……」

「へっへっへ、手こずらせやがってよー」

「そのぶん、た~~~~っぷりと可愛がってやるぜぇ」



 おう。

 じーざす。



 チンピラと『鋼鉄の顎』の連合軍。勢ぞろい。

 そして、こっちも勢ぞろい。



 数十名 VS 2……いや、1。



 うん。

 うん…………うん!


 ──無理!!


 無理なので──……。


「レイラ──息、何秒くらい止められる?」

「は?! 急に何言ってんの?!」


 そのままの意味だよ!!

 これだけはやりたくなかったけど────……。



 一瞬、服に隠したコルトネイビィを抜こうとしたけど、すぐに諦める。

 しょせん装弾数は6発。全弾命中したとして奴等は倒せない──。


 ならば、



「なら、息を止めてろ!!──とりゃ!!」

 どんっ!

「ちょ──なにをって、きゃああああああああ」


 ばっちゃーん!!


 レイラちゃん、マイトからの思わぬ一撃にバランスを崩して哀れ下水の中に。

 なにせ、出口付近だからか、この辺ふっかいのよ!──汚物まみれの水がね!!


 そのたまった汚水の深みからようやく顔を出したレイラとマイト。



「ぶは!! おぇぇえええええ!! な、なにすんのよ──覚えてななさいよ!!」



  ぎゃはははあああああ!!



「み、みろよ、仲間割れしてやがるぜ!!」

「ひゃははあ! 俺は臭い女も好きだぜー、ちょいとガキ過ぎるがな──!」

「そーいうのも好きな奴がいる出そうぜ──ぎゃはっはああ!!」



 誰が臭いチビガキじゃー!



 とレイラが下水の中で騒いでいるが、それはある意味ナイス!!

 そして、そのまま気をそらしてくれ────あの間に、



「汚物は──……」

「チッ、お前はそうはいかねぇよな──」


 レイラの方を気にしながらも、マイトは単身で連中と向き合う。


 それにしても、『鋼鉄の顎』はもしかすると、レイラ自身になにか因縁があるのかもしれないな。

 だから無様に汚泥で這いずるレイラをあざ笑っているが……、チンピラCはそうではない。

 どう見ても、連中は明確にマイトに敵愾心を燃やしており、その攻撃の矛先が今──火を噴かんとしている!


「……ま、悪いけど、汚物は消毒するおは俺も同感だ」


 刹那。

 ──パリリッ……。と、マイトの指先がわずかに魔力を放ち、スキルを設置・・


 否、設置完了する!!


 そう!

 下水に飛び込む寸前、

 すでにマイトはステータスを開いていた。


 そして、設置していた、

 なにを?



 ………………決まっている!!



 発破の手管に決まっている!!




「発破よーーーーーい!」



 ブぅぅうン……ッッ!!


『目標──「下水道壁」厚さ10mm、使用魔力1』


 ……………発破しますか? Y/N



  ろんのもち!!



 そして、ステータス画面を見ずに、マイト自身、下水の深みに身を躍らせながら──────。


「ぽちっとなー!!」




 ⇒「Y」 ピコン♪



 『カウントダウンを開始します』

  『危害半径からの退避を勧告します』




  時間短縮完了!

  残り時間────……!



『カウントダウン開始──……25 24 23』


 ちぃぃい、急いで設定したからまだ20秒近くもある!

 だけどいい! それで充分!! 


 そして、もはや時間がないとばかりに、そのカウントを確認しつつ、マイトは空を舞い────そして、チンピラCと目があいつつも、中指をおったてる!


「汚物は、」

 「──消毒だぜ」


 ビシッ!!


 そのまま、中指をたてたまま、もう片方の手はポーション入れから昨日ダンジョンで回収したハイポーションを加えると一気に飲み干す!!


 下水の匂いと、飛沫しぶきで不快な味が口に広がるが──すでにマイトはマナポーション5本一気飲みを経験しているのでこれくらいどーってことはない!!



 そのまま、飲み干し空になったのを見届けたまま下水に着水!!

 刹那、


「ああああ、ずるい!! それで息しようってのね!? 私によこ──あぼぶっ!!」


 ばか、いいから潜ってろ──こいつは息継ぎ用じゃねぇぇぇ!!




     ドッボーーーーーーン!!


     ──ゴォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!



 マイトが下水に身を投じた瞬間、その頭上をチンピラCの火炎魔法が吹き過さび、メラメラと水面を焼く!


 その様をギリギリで躱したマイトが、茶色の水ごしに眺め、

 そして、濁る視界の中でカウントダウンを眺める。




   『12 11 10──』



「もごぉ?! もごもごもご──!!」


 だが、レイラにはわからない。

 息継ぎするタイミングもなく、マイトの意図もわからず──カウントだって見えないので、突然汚水の中に放り込まれて目を白黒としつつ、暴れる暴れる!


 その様を、水上でチンピラどもや『鋼鉄の顎』があざ笑っている!


「ひゃははああ! 潜れ潜れぇぇ! いつまで潜ってられるかな──!!」

「いーぞぉ! 火から逃げて、下水の中とは笑わせるぜ! おい、焼け焼け!」


 ぎゃはははははははははははははははは!



 汚物はぁっぁああああああああああああ!!


  消毒だぁぁああああああああああああああ!!



  ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

  ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!


 途切れない炎!

 燃え盛る水面!!


 そして──



  『7 6 5──』



「もごぉおおおおおお!!」

「(ええい、暴れるなよ、レイラ──)」


 あと少し、

 あと少しなんだ──!!


 だが、本当に限界だったのだろう。

 レイラは最後の呼吸を求めて水面を目指す────…………ッ!!




  ぶくぶくぶく!




「むー?! むっむっむ!!」


 だが、それを許さないマイトが、無理矢理レイラの顔を掴むと引き寄せる。

 すると、驚いているのにも関わらず、そこに、突如空気が送り込まれて、一瞬正気に戻るレイラ。


 そこには、妙に近い位置のマイトの顔。


 そして、その瞬間────マイトと濁った水中で、視線が交差したかと思うと──はっとして慌てて突き放すもすでに一呼吸は息継ぎできる。


「(ア、アンタ、い、今──!!)」

「(そう。いまだ──)」


 いま、

 いま

 いま


 『3 2 1 いま──』



 ピー♪




   ズバァァァアアアン!!





 ……まさに今。

 マイトが下水の出口に仕掛けた発破が炸裂!!


 熱さ1センチ程度のそれを最低必要量の魔力1で吹き飛ばし!!

 下水道の中を危害半径1mの爆炎で満たす!!


 その瞬間、チンピラどもに『鋼鉄の顎』どもが巻き込まれぶっ飛ばされる!!



「ぎゃあああああああああ!」

「うぎゃぁああああああああああ!!」

「な、なんだぁぁああああああああああ!!」


 「──汚物ぅううううううう!!」


 その瞬間、マイトたちの体も浮遊感を感じ、どこかに運ばれる感覚に包まれる。


 これはまさか──!!


 仕掛けた爆発は、見事に下水の密閉空間の前後に流れ、

 前は外へ、後ろはチンピラどもを吹き飛ばし、そしてそもそもの鉄格子状の出口を吹っ飛ばし、中に詰まった汚水を一気に外に流しだした!!




   ドッバァァアアアアアアアアアアアア!!




「ぶはぁぁああああ!!」

「ぱぁぁあああああ!!」



 その瞬間、下水から大河に投げ出されたマイトとレイラは、ようやくぶりに新鮮な空気を吸うことができた。


 だが、

 だが、まだだ!──……まだ終わっていない!!




「てめぇぇえええらぁぁああああああああああああ!!」




 ゴウ!! と、爆炎を破って出てきたのは、まだまだ元気なチンピラに『鉄の顎』ども!


 奴等のうち何人かは吹っ飛ばされたが──そもそも密閉空間で重なって並んでいたこともあり比較的軽傷の者も多く、なにより所詮は「魔力1」の危害半径1mで飛ばせる程度の爆風だ!!


 ランクC相当の連中が倒すには当然火力不足で、奴等の腕でも生き残りは可能!

 残り────20人!!



 そして、



「──おがぁぁあ!! でめぇ、消毒してやるあぁぁあああああああああああ!!」



 当然、あのチンピラCも健在!!

 そして、義手にしていた杖を一本失いながらも、マイトと空中で視線を交差させる。


 ──が、


「へっ」


 ニヒルに笑うマイトは、

 もちろん、これも織り込み済み!!


 勢いよく流される下水の中でマイトは大河のほうに押し流され飛ばされつつも、腰に差しておいたを掴むと、ニヤリと笑う。



「ばーか──……なんのためにわざわざお高いハイポーションを飲んだと思ってんだよ」


 下水の出口を吹っ飛ばすため?

 ノンノンノン──。


 そんなの魔力1で十分たりる。


 ならば、

 ならば────マイトが手にしているそれを。



  ダンジョンの壁の一部・・・・・・・・・・であるそれを────。




「──吹っ飛ばすためにきまってんだろうが!!!」



  ぶぅぅううん……。




『目標──「ダンジョン壁」厚さ4000mm、使用魔力40』



 ……………発破しますか? Y/N


「は!!」


 そんなの、

  ろんの、もちよ!!



 ⇒「Y」 ピコン♪



『カウントダウンを開始しま────』


 カチカチカチッ!!

 そのアナウンスを聞くまでもなく、時限信管調整からの────!!


 ってぇぇえええええええええええ!!



  ぶんっ!



「信管最短、1秒!!」



 空中に舞う、棒状のダンジョンの一部。

 そいつがクルクルと回りながら奴等の方目掛けて飛んでいく!

 ……だが、目測でも投擲距離が足りないのは明白だ。


 だから、


  ジャキンッ!!


 ここで初めて懐からコルトネイビィを引き抜くマイト!

 ……装弾数は6発。


 それを腰だめに構えて──────当たれぇぇええええええええ!!





   ババババババーン!!




 早打ちファニングで狙うは、狙う!!

 じつは、銃を貰って嬉しがって部屋で空のためしウチをしていたのは内緒だ。


 男の子だもん!

 鉄砲とか大好きだもん!! 練習したもん!!


 そして、内緒なだけに、こうやって撃つのは初めて!!

 だから────……。




『1──いま!』




 ぴー。




 まさに爆発するその瞬間、

 マイトが投げたダンジョンの壁は飛距離そのまま──つまり、


  「はず、した……?」



 んなぁぁ?!


 かっこよく銃弾が命中して、

 ダンジョン壁の破片がくるくる飛んで下水の出口に命中────そうなるはずだった。


 だけど、そんなに……。

「……都合よくいくわけないでしょ──ばーか」



 シュンッ────きーん!



 刹那。

 視界を奔る白銀のきらめき────今のは?!


「な!」

 レイラか、今のは!!

「そーよ。命中~! で? これがど──」





   ズバァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!






「んきゃああああああああ!」

「どぅわぁぁあああああああ!!」



 レイラの投げた「盗賊のナイフ」が命中し、軌道を変えたダンジョンの壁がくるくると出口に飛んでいき、


 直後、


 下水から追って来ようとしていたチンピラ&『鉄の顎』の隊列のど真ん中にポトン!!


 刹那、大爆発を起こした!!


 そう!!

 魔力40!!


 ハイポーションで無理やし底上げした魔力分をのせたそれが、危害半径40mの爆破力をもって爆発!!!


 その瞬間、




   「汚物は、


    「消毒したぜ──」




 爆風の最中、

 件のチンピラCと一瞬視線が交差した気がしたが、それも気のせいだろう。


 そのまま連中は、爆炎の中に消えていき、下水の中におかえりあそばせた。


 そして、マイトたち二人も抱き合ったままクルクルと空中をぶっ飛んでいき────ドッパッァァアアアン!! と、今度こそ清水に着水。




 ぶくぶくぶく……と、

 下水が流れ込むはずであった大河にそのまま沈んでいくのであった……。

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