~幻覚(ゆめ)の造作と神秘を問うた…~『夢時代』より冒頭
天川裕司
~幻覚(ゆめ)の造作と神秘を問うた…~『夢時代』より冒頭
~幻覚(ゆめ)の造作と神秘を問うた…~
一人(ひと)の牙城(とりで)と安(やす)みの両眼(まなこ)は既録(きろく)違いの堂々巡りで、人山(やま)に巡れる傀儡(どうぐ)の内実(なかみ)は過録(かろく)を捩れる小言を発し、幻覚(ゆめ)の一重(ひとえ)に孤独を乞うのは未来(さき)を信じぬ独語(かたり)を独歩(ある)き、一人(ひと)と現行(いま)とを身陰(かげ)に置くのは世迷(よまい)に尽せぬ視界と成った…。一人(ひと)の真夜(しんや)に孤録(ころく)を置き去る「堂々巡り」の活路の芯には、幻(ゆめ)の生憶(きおく)と懺悔を気取れる不解(ふかい)通りの兆しが立った…。
*
…何かはじめ、レトロな、とてもいい夢を夢の中で見詰めており、その余韻が漂う覇気を以て次の場所へ行き、人に会おうとしたが、どんな夢か忘れた為、ここに記す事が出来ない。何か俺はその夢の中で、イタチ(「ゲゲゲの女房」の)に会っていたかも知れない。(俺は眠る前、「トモダチコレクション」をやっており、中の「イタチ」が嫁さんと喧嘩ばかりしていて、妙に印象に残ってしまったようである)。
*
…一人(ひと)に独歩(あゆ)める未解(みかい)の同調(シンパ)は幻(ゆめ)の片(かた)から独理(ドグマ)を絵に彩(と)り、久しい姿勢(すがた)に乱心(こころ)を揺さ振る「過去と未(いま)…との共鳴(なげき)」を観る儘、一人(ひと)の世毎(よごと)に価値を見守る幻想(ゆめ)の御殿は隙間を縫った…。暗黙(やみ)に乗じて小言を根廻す人間(ひとのあいだ)は未開に訪れ、幻覚(ゆめ)の街から生憶(きおく)と除(よ)け生く御堂(みどう)の玉手(たまて)を絵にして描(か)いた…。一幻(ゆめ)の暗(やみ)から虚空が蹴上(けあ)がり過去の斬新(あらた)を寝室(ねむろ)に置くのは、一人(ひと)の姿勢(すがた)に暗黙(やみ)を牛耳る意味を眺めた未来(さき)を追い駆け、幻想(ゆめ)の人街(まち)から人形(かたち)を失くせる暗(やみ)と真理の黄金を観た…。過去の器量に自己(おのれ)を欲しがる未在(みざい)と数多の無根の根音(ねおと)は、人山(やま)に失(け)し往く無形(かたちのなさ)から一人(ひと)の過憶(かおく)は御堂(みどう)を余せ、小宙(そら)の繁味(しげみ)と過応(かおう)の仕種は無論に突き出た醜女(おかめ)を象(と)った…。幻想(ゆめ)と意味との文言(ことば)の過憶(かおく)は暗黙(やみ)を片手に陸奥(みちのく)を観て、語れる情(なさけ)の頭上(うえ)から過去を遮る見様(みよう)を押し出し、白亜(しろ)く紡げる未解(みかい)の杜から気楼を相(あい)する行儀を遣い、一人(ひと)の自然(しぜん)に未知を象(かたど)る「自由の独歩(どくほ)…」を絵に見て描(か)いた…。児(こども)の権利に心理を見守り、小宙(そら)の行方は気楼に仕舞われ、一人(ひと)と幻想(ゆめ)との文言(ことば)の綾(あや)には活路に仕舞える無造(むぞう)を観て居り、人間(ひとのあいだ)を自由に相(あい)せる〝自己(おのれ)の一宮(みやこ)…〟を労苦に置いた…。暗(やみ)の空間(すきま)に未完(みじゅく)を観るのは不名誉から発(た)つ退屈(ひま)を牛耳り、琥珀色した四季(きせつ)の許容(うち)には未来(さき)に識(し)れない打ち出を見守り、幻覚(ゆめ)の過去(むかし)に生準(きじゅん)を揺らせる未知の空間(すきま)を傀儡(どうぐ)に睨(ね)めては、一人(ひと)の肢体(からだ)に孤独が仕上がる利損(りそん)の芥(あくた)を諸行に遣(や)った…。身欲(よく)の価値から文言(ことば)を紡ぎ、気楼と賛美の俄かは何時(いつ)でも…人間(ひとのあいだ)に愛を観るまま愛(まごころ)を識(し)り、序(ついで)を知らない気色は現行(いま)でも遠く…幻想(ゆめ)の一女(おんな)と孤独を抱(だ)くのは人街(まち)の自主(あるじ)に脱出して居た…。白亜(しろ)く尖れる外(そと)の自然(あるじ)は「幻覚(ゆめ)の無形(かたち)…」に自体(おのれ)を託し、「自由を賄う価値の灯(ひ)の粉(こ)…」は未(いま)を審(しん)じぬ祭(まつり)を射った…。幻覚(ゆめ)の傍(そば)から生憶(きおく)が成るのは遊興して生く自覚(かくご)を置き捨て、一人(ひと)の自由を個録(ころく)の空間(あいだ)を無知に高めた自然を貴(たっと)び、暗黙(やみ)の眼(まなこ)へ活き着(づ)く有形(かたち)は一人(ひと)と生義(せいぎ)の塊を成し、女性(おんな)の生吹(いぶき)にその日を訓(おし)える未来(さき)の信理(しんり)を文言(ことば)に突いた…。感嘆成る哉…気楼(きろう)に咽(さけ)べる人山(やま)の安土は独語(かたり)を追い駆け、一人(ひと)の生果と過去とを相(あい)せる未知への揺蕩(ゆらぎ)は自然(あるじ)を吃(ども)らせ、幻覚(ゆめ)の許容(うち)へと清閑(しずか)に窄める人山(やま)の絵画は何処(いずこ)も同じで…日々に纏まる自主(あるじ)の有形(かたち)は未知を信じて独歩(どっぽ)を採った…。
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~幻覚(ゆめ)の造作と神秘を問うた…~『夢時代』より冒頭 天川裕司 @tenkawayuji
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