ゆりかごのうた
@Akanesasu-00
第1話
ひいばあちゃんの家には
盛られた砂糖菓子と
おじいちゃんの仏壇と
黒電話
夕方になると相撲がつく
私はそのうち退屈して公園に行く
ようきたねとお菓子をくれるおばあちゃんが
優しくてたまらないことだけ
思い出して
ひいおじいちゃんの家には
私の子どもの頃の夕方がつまってる
お墓、夜、虫の音、夕方、猫、稲穂
子供達の声、台所、つくし、ふき、川、まむし
人が人として生きていくための
最初の場所
たけのこをとりに鍬を下ろすおじいちゃん
少し離れたところから
ふと足元を見て、
このまま子どものままでいたい
と思った子ども心
またいつか、こういう日々に
帰って来れたらいいなと思う
この場所にいつまでもいたいけれど、
あたたかく、心配して、ほころんで、怒って
泣いて
誰かが泣くと、そばにいて
おかえりと、笑って
ただ、抱きしめて
笑顔にほころんで
おふざけして、苦笑いして
傷つけて、傷付いて
危ないことをして、叱って
一緒に笑って、泣いて
できなくて、へこんで
でるようになって、
初めてのことに、怯えて
新しく、今のまま、変わってゆくものと変わらないものの中で
あなたをずっと見ていたい
何度でも、あなたのもとに帰って来たい
ただ、愛されるためだけに
ゆりかごのうた @Akanesasu-00
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