第33話 アマンダさんの事情(2)
アマンダは、それからというもの、たまに自由市場に現れる手相占い師の動向を伺うようになった。
名前は、トト・カスタネット。カスタネット準男爵家の爵位を継げない三男で、つい最近までカスタネット準男爵領で手相占いをしてた事だけは分かっている。
そして、それ以外の情報は、どういう訳か誰も知らない。
何故、王都に居るのか?何故、いつも可愛らしい幼女と居るのかは謎。
兎に角、興味は尽きなくて、もう、この頃になると、手相占いより、腕相撲の方がやりたくなってしまってる自分が抑えきれなくなっている。
トト君と、腕相撲をやってみたい。そして、接戦して疲れてバーサーカー化した私を、トト君が抑えつけられるか試してみたい!
だけれども、そんなトト君を観察してると、女性にもコロッと負ける場合が多々あるのだ。可愛い女の子なら尚更。
アマンダが求めてるのは、そんな腕相撲ではないのだ。
男と女の真剣勝負。私が例え美少女で可愛いくても、手加減など不要!
アマンダは、闘争大好き!男の子と取っ組み合いの喧嘩とかするのも大好きで、そんな少女時代を送ってきたのである。
今となっては、スキルのせいで、仕方が無く冒険者になったのも良かったと思ってるくらいだし。
冒険者ギルドには、大好きな男がたくさん居るし、自分の事を、少女時代のように粗雑に扱ってくれるし、それから冒険者を続けで行くうちに、上を目指したくなってきたりもしていたのだ。
元々、アマンダは負けず嫌いで、殴り合いも大好き。それもあり、少女時代は喧嘩に明け暮れてたという過去もある。
途中からスキルを得て、誰かと喧嘩しても、必ず勝つようになってつまらなくなってしまったが。
だけれども、冒険者になれば上には上がいる。アマンダにも敵わない化け物が。
アマンダも、バーサーカー化すれば、それなりに強くなれるのだが、如何せん、自分では強さを制御出来ないのである。
しかも、自分を制御できないせいで、誰も一緒にクエストを受けてくれないし、冒険者パーティーにも入れない。
ソロで戦うのも限度がある。本当はもっと難易度が高いクエストを受けたいのだが、ソロの1人きりでは、バーサーカー化した場合、どうする事も出来なくなってしまうのだ。
例えば、高難度のダンジョンに潜った場合。バーサーカー化したら、そのまま興奮状態で自分では太刀打ちできない魔物がワンサカ居る下層に潜ってしまい、そのまま魔物に殺されて死んでしまうかもしれないのだ。
そんな事になったら、恐ろし過ぎる。
アマンダも、まだ死にたくないのだ。
まだまだ、男の子と遊びたいし、恋もしたい。
年頃のアマンダは、もっと、男子とエロい事もしてみたいのだ!
何故なら、アマンダはいつも男子とエロい事をしても、不完全燃焼で終わってしまうから。自分を、身も心も満足させてくれる男子と付き合ってみたいのである!
そんな事もあり、アマンダは、バーサーカー化すれば金級の実力があるというのに、今でも銀級で燻ってるのである。
まだ、人生楽しんでないし、自分を満足させてくれる白馬の王子様と出会ってないし。
そんな時に、腕相撲をしてたトトを見つけのだ。
もうそれからは、恋焦がれる乙女。
トト君と腕相撲したい。そして私を負かして欲しい。そしたら、トト君と付き合って、あんな事や、こんな事もしちゃうのだ。
もう、妄想が勝り過ぎてベットの中では、トト君を想像して1人で色んな事をやってしまう勢いなのである。
そんな時である。突然、トト君が冒険者ギルドの戸を叩いたのは。
もう、アマンダは居てもたってもいられない。
だって、大好きなトト君が、自分と同じ冒険者になっちゃったのだ。
これはもう、トト君のパーティーを組むしかない。そして、ついでに付き合っちゃおうと思ったのである。
同じパーティー同士で付き合うのは良くある事だし、物凄くモテる自分なら必ずトト君を落とせる筈だし。
そして、アマンダは、銅級試験を受けるトトを、物陰から隠れて見てたのだが、やはり、アマンダの見立てはおかしくなかった。
ただ、スライムを一閃して斬り裂いただけなのだが、その剣筋は剣の達人のそれ。
それなりの実力があるアマンダには、それを一目見ただけで分かってしまったのだ。
欲しい。やっぱり欲しい。私、トト君が欲しい!そして、付き合って、あんな事して、こんな事して! 必ずお嫁さんにしてもらうんだ!
もうここまで来ると、自分の欲求を抑えきれない。
そして次の日、トト君が、銀級試験を受けるとなって、受け付け嬢が、試験官の募集をかけた時、チャンスと思ったのだ。
『トト君に近付くチャンス! コレを必ずものにしてやるって!』
そして、そんなトト君なのだが、実際に接してみると、私に完全に気があると分かったのだ。
だって、ずっと私を見てモッコリしてるし。しかも、可愛らしい事に股間を濡らしちゃって、恥ずかしくて逃げだしてるし。
『これは歳上のお姉さんとして、トト君を優しく導いてあげなくては!
徐々に段階を踏んで、トト君を大人の男へと導き、そして私から離れられない体にしてみせなくては!』
アマンダの人生の目標が、ここに定まったのである。
もう、アマンダには、トト君しか居ないのだ。トト君しか私を女にしてくれないし。私を扱えない。
そんな事を考えて、ベッドで一人行為に励み、次の日。
直に、トト君と対峙してみて、トト君の実力を体感し、今迄に味わった事のない興奮を体感したのだ。
トト君と剣を交わすの楽しい!どんなに攻撃しても私に答えてくれる。
あああぁぁあああぁぁ……欲しい。欲しいよぉ~どうしても、トト君を自分のものにしたいよぉ~
そして、ついにその時が来たのだ。
トト君は、剣を鞘にしまい、私の両の腕をガッチリと掴んだのだ。
『動かない。どうやっても動かない! ヤッター!嬉しい!! ついに、私を扱える男が、バーサーカー使いが現れたのよ!』
もう、心の中で興奮大爆発!
もう、自分を抑えきれない。
欲しい、欲しい!トト君が欲しい。足を使ってトト君を羽交い締めにして、襲ってしまおうと思ってるのだが、どういう理屈か足が動かなくなってしまっている。
『凄い! 凄いよ! トト君。完全に私を抑え込んでいるよ! 今迄、どんな屈強の男でも、ここまで疲れて興奮状態な私を抑え付けれてた者など居なかったのに!』
手も足も抑え付けられても、まだ、アマンダには口がある。
『トト君とチュチュするんだ!そして、私の舌テクで、私から離られない体にしてやるんだ!』
アマンダは、トト君の唇を奪ってやろうとするのだが、どうしても、あと一歩届かない。
『もう、トト君最高よ! 私を完全に抑えつけれる人間なんて、もうトト君だけしかいない!抱いて! 私を好きにして!そして、私のパートナーになって!』
とか、心の中で声叫んでたら、
バキッ!
まさか、トト君に腕を折られてしまった。
『痛い! これもトト君の愛情表現?! 今、私、何かに目覚めたわ! トト君に痛めつけられるのも興奮する!ああぁぁああぁぁ~痛た気持ちいいよぉ……』
バキッ!
『アッ♡』
もう一度、トト君に腕を折られ、ここで始めて、アマンダは絶頂と同時に失神してしまうのであった。
そして、現在、
トト君は、私のビキニアーマーのパンツをパッカン!と開けてニヤけていたのである。
これはチャンス! この機会を必ずものにしてやる。絶対に、トト君を私だけのものにするのだ。そして、あんな事や、こんな事もしてもらうのだ。
そして色々あり、最終的には、トト君を完全に言い含めて、私と冒険者パーティーを組む事を約束させて、更に、私の未来の旦那様になる言質を取る事に成功したのだった。
ミッション、完全コンプリート!
私とパートナーになったからには、必ず、トト君を、心も体も満足させてみせるんだから!
そして、私と一緒になる事を、絶対に後悔なんかさせないんだからね!
ーーー
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