第29話 エロバーサーカー
アマンダさんは、益々、ハアハアしながら俺に迫ってくる。
多分、物凄い力で迫ってきてると思うのだが、そこは、俺の『握手』スキル。
全く、アマンダさんの力も感じないし、疲れる事もない。
ただ、アマンダさんがハアハア言いながら俺に襲いかかってくるのを、目の前で見ている状態だ。
そんでもって、アマンダさんは手が完全に拘束されてしまってるので、顔で俺に攻撃してこようとするのだ。
頭突きでもされると思ったのだが、なんか、俺の顔を舐めようとしてくるし。
これはアカン奴だ。もう、攻撃というか、俺を1人の男として違う攻撃をしてきてるし。
アマンダさんは、男を襲う性獣に成り果ててしまっているのだ。
まあ、そのまま襲われたい気もするが、多分、俺が手を離したら、そのまま〆殺されてしまいそうな勢い。
これ、アマンダさんの彼氏、絶対にベットで命懸けだよね。
男と女の人って、付き合ったりすると手を繋いだり、ベットの中で抱き合ったりするんだよね?
子供の頃、お手伝いのお姉さんに、どうしたら子供が出来るの?て、聞いたら、『男女が1つのベットで抱き合って一晩過ごすと、子供が産まれるのですよ』と、聞いたのだ。
そんな事しちゃったら、アマンダさんは興奮してしまって、男の人が抱き潰されて、ぺちゃんこになってしまうと想像できる。
だって、俺って、色んな人達と腕相撲してきたけど、どう考えてもバーサーカー状態になってしまってるアマンダさんに、パワーで勝てる者など1人も居なかったし。
「トト君! 私のものになりなさい!」
「アマンダさんのものに成りたい気もしますが、まだ、僕もやりたい事があるので遠慮しときます!」
「私の彼氏になってくれないと、もう、離さないんだから!」
「いやいやいや、アマンダさんの腕を持ってるのは僕で、アマンダさんは、どっちかというと、僕に持たれてる側ですから!」
「だったら、一生私を離さないで!」
「いやいやいや、トイレとか1人で行かないと恥ずかしいですから!」
思春期の子供が、いつもビキニアーマーでエロい格好してるお姉さんと一緒に、トイレなんかいけないだろ!
というか、俺、基本、アマンダさんと一緒にいる時、息子が隆起しちゃってるのに、そんなの見られたら生きていけないよ!
「兎に角、私と一緒に行動して!」
「それは、どういう事ですか? 一緒に行動? 冒険者パーティーとかで、一緒に行動するという事ですか?」
それなら、できるかも。まあ、一緒に行動するのはやぶさかではないが、しかしながら、ずっとモッコリを気にしながら行動するのは、行動に制限ができて恥ずかしいかも。
「私って、特異体質でしょ? なので、人とパーティー組めないのよ! HPが減ったり、興奮してくると人を見境なく襲っちゃうから!」
「ですね」
俺は、アマンダさんに襲われながら納得する。
確かに、こんなパワフルなアマンダさんを押さえ付けれる者など、この王都ギルドにも、ほんの数名しか居ないだろう。
ましてや、クエスト中に暴走なんてされたら堪んない。魔物に襲われるより、アマンダさんがバーサーカー状態になって、冒険者パーティーを壊滅させてしまう方が確率が高いように思えるし。
だって、考えてもみ! ダンジョンボス戦とか、ダンジョンボスと戦ってたら、傷を負ったアマンダさんが突然、バーサーカー化し、ラスボスになってしまうのだよ!
そんな人と、誰もが怖すぎてパーティーなんか組めない。
その点、俺だったら、一応、簡単にアマンダさんを止める事ができる。
今だって、余裕にアマンダさんを止めるてるし。
今もアマンダさんは、バーサーカー化して暴れまくってると思うが、俺の感覚としては、握手でもしてる感じだからね。
ちょっと、アマンダさんのエロい姿を見れて役得とか考えちゃってるし。
美人でエロいお姉さんに、彼氏になって!とか、私のものになって!とか言われちゃったら、思春期の男の子が興奮するなという方が無理な話。
しかも、俺の『握手』スキルって、その時、その時、数ある派生スキルから、その時にあった派生スキルをうまくミックスして発動されちゃうのだ。
何故か、顔は動くが、アマンダさんの足は動かなくなるように、腕の秘孔か何かを握って制限してるようだし。
本当に、俺の『握手』スキル、どうなってんの?!
しかし、この状態、いつまで続くのか?
多分、アマンダさんが死ぬか、興奮冷めやまないと終わらない気が……
だから、俺は、考えあぐねた結果、MPを奪う『握手』スキルを使えばいいんじゃないかと考えた訳。
すると考えたと同時に、勝手に他人からMPを奪う『握手』スキルが発動し、そして、アマンダさんは、より凶暴化してしまったのだ。て……駄目じゃん!
「キャッハッハッハッハッ! 死ね! ヤラセろ!お前の全てを奪ってやる!」
完全に失敗してしまった……大好きな人でも、ここまで来ると、なんか怖い。
MP不足になると、倦怠感とかが訪れてグッタリするかと思ってたが逆だった。より、バーサーカー化が進み、凶暴になっただけ。
これ、もう、どうする事もできないんじゃ?
多分、俺のHPを与えても、興奮は収まらなそうだし、興奮してても凶暴化すると言ってたから、本当にどうする事もできないのだ。
もう、アマンダさん、腕を動かすのを完全に諦めて、顔だけ近づけてきて、チュチュしようとしてきてるし。
まあ、なすがままよ!エイッ!
ボキッ!
俺は、アマンダさんの持ってた腕を握り潰してやった。
「ギャアアァァァーー!!」
そりゃあ痛いよね。多分、本当に握り潰しちゃったから、粉砕骨折してると思うし。
アマンダさん、相当痛かったのか、のたうち回ってるし。
だけれども、バーサーカー化してしまってるアマンダさんの凶暴性は収まらない。より、一層暴れまくってるし。
そんでもって、俺は、もうちょっとだけ攻撃する事にしたのだ。心は痛むけど。
粉砕骨折した腕の、もう少しだけ上に持ち直して、
「エイッ!」
ボキボキボキボキッ!
「グギャアアァァァァ……」
アマンダさんは絶叫しながら、ジョアーー!と、盛大に失禁しまう。そして、そのまま、まるで紐が切れた操り人形のように事切れてしまった。
終わった。だけど、どうしよう……まさかオシッコ漏らしちゃうなんて……
ちょっと、これほど恥ずかし失態を女性にさせてしまうとは、俺だったら恥ずかしくて生きていけない。
もう、ここまでの事をしでかしちゃったら、トトは、誠心誠意土下座して謝るしかないなと、冷や汗を流しながら思ったのだった。
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