エンジェルあいね姫
林愛根
エンジェルあいね姫
あいねはこの国のお姫様です☆
お母さまとお父さまが養ってくださいます。
今日は一人で、人生ゲームで遊んでいると、
窓がぱっと開き、1羽の天使が現れました。
「きらきら可愛いあいね姫。
私は天使のガブリエルです。
あなたに飛ぶ力を授けましょう。」
「え? 飛ぶ力??
あいねみたいな醜い子どもが飛べるとは
思えないです。」
「あいねは十分プリティーガール。
あいねより可愛い子はいないのです。
では、行きましょう!
夢の世界へ!!」
「ど、どうやって飛んだらよろしいでしょうか?」
「飛ぼうとすれば飛べます! 強い意志で!!」
「飛ぼうとすれば……あっ、飛べる! 私飛んでる!
きっとハヤブサよりも速い!!」
「誰よりも優雅に舞うあいね姫。
その鱗粉はすべてのものを幸せにするのです。
さあ! 一緒に飛びましょう!!」
「はい!!」
☆ ☆ ☆
「いやあ、夜景がきれいですねぇ。」
「君はお城を出たことがないんだね?」
「はい。ママとパパは過保護ですから。」
「宝物はきれいにタンスの中にしまっておきたいものです。
では、庶民の暮らしを見るために、スーパーへ行きましょう!」
「スーパー?」
「純粋無垢のあいね姫。
清らかすぎます。
おいしいものがたくさん売っているんですよ。」
「ぜひ、行ってみたい!
いろいろ食べてみたい!!」
「では、行きましょう!! スーパーへ!!」
☆ ☆ ☆
「うわぁ~、広~~い。」
「あいね姫に気に入る物があればいいのですが。」
「これはな~に?」
「これはアボカドですよ。
もう熟していますね。
お醤油と一緒に食べるとお刺身になるのですよ。」
「お刺身! 食べたい!!」
「じゃあ、かごに2つ。」
「これは?」
「これは、牡蠣ですね。
ちょうど、試食がありますね。」
「私食べる!!」
あいねはそっと牡蠣を口に運んだ。
「何これ!! 不思議な味!!
おいしい!!」
「よかった、よかった。」
「これは、商売ね!
私お店開く!!
牡蠣専門店、あいねwith牡蠣を!!」
「え、ええ~~。」
「早く、行きましょ。」
私はガブリエルの手を引いて、飛んでいくのでした☆
☆ ☆ ☆
あいねはお父さまに融通してもらい、
お城の片隅にお店を開いたのでした☆
あいねwith牡蠣を!!
「まさか、お店を開くなんて……。」
「私の商売っ気はすごいんだよ!!
誰にも負けないのだ!!」
「麗しいあいね姫にこんな一面が……。」
「あいねは今日は半額セールをします!
昨日、お父さまにチラシ配ってもらったし、
絶対来るはず☆」
「だといいけど……。」
あいねの予想、見事的中!
あいねは牡蠣をバターで焼き、
ガブリエルはウェイトレスとして、
お店の中を奔走しました!!
「お客さんには、終始笑顔!!
そして、ご飯は大盛だよ!!
スパイスで風味をつけて栄養満点!!
お客様は神さまなのです!!」
あいねは一日中牡蠣を焼いて過ごしました☆
ガブリエルも奔走しました。
あいねのアボカド生牡蠣丼は絶品で、
遠い地方からもお客様が来ました。
あいねはそれはそれはリッチになりました。
「う~~ん、どうしよう、こんなに要らない。」
「どうするのです、あいね姫?」
「もうすぐ、クリスマスかぁ~。」
「そうですね、あいね姫。」
「決めた! あいねはサンタクロースになる!!
空からばらまく!! 決めた!!」
「え、ええ~~~。」
「ガブリエルはトナカイ役だよ。
一緒に行こ!!」
「はい!」
「サンタクロースが街にやってくる♪
You better watch out
You better not cry
Better not pout
I’m telling you why
Santa Claus is coming to town♪
気をつけてね
泣かないように
ふくれっ面しないように
なぜか教えてあげるよ
サンタクロースが街にやって来る♪
He’s making a list,
And checking it twice;
Gonna find out Who’s naughty and nice.
Santa Claus is coming to town
サンタクロースはリストを作って
2回もチェックしているよ
だれが悪い子か良い子か見つけようとしてるんだ
サンタクロースが街にやって来る♪」
「サンタ役も楽しいですね!」
「みんなが笑顔でありますように。」
与えなさい。そうすれば、あなたがたも与えられます。
詰め込んだり、揺すって入れたり、盛り上げたりして、
気前良く量って懐に入れてもらえます。
あなたがたが量るその秤で、
あなたがたも量り返してもらえるからです。
ルカ6:38
あいね姫は神さまに喜ばれ、
生涯幸せに暮らしましたとさ。
おしまい♪
エンジェルあいね姫 林愛根 @lapis2019
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