秋は乾燥芋の季節
第26話 秋は乾燥芋の季節 ①
秋は嫌いだ・・・
子供の頃から友達が遊んでいるのに、
『芋ほりがあるから遊べない!』
って、どんな理由だ。
夏に日に日にデカくなる芋っ葉を見てるとイライラしてくる!
デカく成らなきゃいいのにっていつも思っていた。
今年も憂鬱な季節が来やがった・・・
「としや、来週から芋の収穫、はじめっかんな」
「・・・・わかったよ」
ウチは農家なんで、農作業を手伝ってもバイト代がでるわけでもない。
そうするのが、当たり前だからだそうだ・・・
ウチには1,5ha[ヘクタール]のサツマイモ畑があるから一度収穫が始まると年明けまで仕事が尽きることがない。
なぜなら、そのサツマイモを加工して乾燥芋にして販売するのが仕事だからだ!
サツマイモは1a[アール]で約200㎏の収穫ができる。
1,5haはその150倍・・・
まさに芋地獄。
だが、ウチはまだいい・・・
隣のりさんちはうちの3倍の農地があるから・・・
だから、夏が終わると
『芋ほりがあるから遊べない!』
って子供のころから、りさが言っていた。
小清水 りさとは同級の幼馴染で物心ついた時から一緒に居た。
親同士が農家仲間で仲良かったのもあって、保育園も幼稚園も、
小学校の通学の時も、いつも手を繋いで一緒に行っていた。
子供の頃は今とは違い、繁忙期はいつも2人で放っとかれた。
初めて、言われた時のことを今でも覚えている。
りさが10歳の夏の終わりに・・・
『芋ほりがあるから遊べない!』
って言われた。
りさは嫌そうじゃなかった・・・むしろ嬉しそうに・・・・
その時、俺は秋が嫌いになったんだと思う。
そして、次に年に、りさは幼馴染から普通の同級生になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます