宇宙(そら)から見えるパワースポット
第19話 宇宙(そら)から見えるパワースポット ①
『USAに住む皆さん、今日も地球は青く美しいぜ!』
アパロ14号に乗るエルガー・シュミットの著書【月から登る地球】に記されている記事を抜粋。
『月の地平線から地球が昇ってくるんだぜ!感動の瞬間だ!
俺は生涯、この窓から見た景色を忘れることは無いだろう・・・
それぐらい・・・美しい。
うん?なんだ・・・ジャパンに光の柱が立っている!
レーザーか?・・いや、神秘的な光だ・・・
TOKIOの少し北側だ、ヘイ!トム!君も見てくれ・・・・』
後にエルガー・シュミットが地球に帰還しその光源を調べたところ、
茨の城の大岩神社の座標と一致したと締められている
「え!?大岩神社ってそんな話があるの?」
「カミーネ、毎年、初詣行ってるって言ってたじゃない」
「行ってるけど、うちの恒例行事の一環だもの」
「ああ、光圀公に所縁があるもんね」
「そうなのよ、でも・・・いつも言葉にはしづらいけど・・・
神々しい・・・っていうか厳か?な感じはしてるよ」
来活の部室で3人が大岩神社の話をしている。
「なんか・・・わたしみたいなミーハーな気持ちで行ったらバチが当たりそう・・」
「そうね、りつは気を付けたほうがいいかもしれないわ、バチが当たる素質は十分」
りっちゃんの心配をななみが辛辣に返し、りっちゃんが指を鳴らすポーズをしている。
「大体、パワースポットに行きたいってどういうことなんだろう・・・」
「それだけ、癒しを求めてるってことじゃないの?」
「癒し・・・か・・・神社って疲れてる人が行くところかな」
「ある意味、そういう部分はあるわね、人生に疲れたとか、夫婦生活に疲れたとか・・・」
「駆け込み寺って言うもんね」
「それって現代風な感じもするけど・・・元来、祈願しに行く場所なんじゃないかな」
「・・・そうでしょうね」
「うん、天皇も日ノ本の民の幸せを祈るのがお仕事だし、パパも領民の幸せを一番に願ってる気がする」
「普通の人は・・・家内安全、学業成就、安産祈願、恋愛成就・・・」
りっちゃんが指折り数えているが、
「調べたら165あるらしいわ」
ななみが操作している携帯を2人に見せる。
「げ!そんなにあんの~」
りっちゃんが見せてもらった携帯の画面をスクロールさせて、眺めている。
「多分、もっとあるわね」
「カミーネは千客万来とか」
「う~ん、前はそうだったけど、今はパパに近いかも」
「お、領主様に近づいたってことかな~」
「わたしの目にもカミーネは成長したように見えるわ」
2人はカミーネの成長を評価してくれるが、
「そんな、まだまだよ」
父の重責を肌で感じられるようになったカミーネには自分がいかに小さい存在かが解るようになってきていた。
「じゃあ、3人で行ってみる?」
「考えるよりまず行動はりつらしいわ」
「うん、わたしも自分が何を願うか大岩神社の社の前で感じてみるわ」
そう言って3人は立ち上がる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます