第12話

目の前に現れたのは、城。どっからどう見ても城。そして門。

そしてその門をくぐろうとしたら、


「おい。人の敷地に勝手に入るな。」


「お前が...雷鬼。」

「なんだ...炎鬼、客か。悪かったな。ついて来い。」


あやしい。——が、何だこの奇妙な笑顔。誘ってるのか?なら分かった。乗ってやるよ。


——————それにしてもこの城。広くね?


「つきました。」

「ここって、」

「はい。闘技場です。」

「なんで...」

「いいからこっち来てください。

「そんなのないよ。ねぇイクス」

「リン。大丈夫だ。俺なら、勝つから」

「いいねぇその意気込み。」


「もう、はじめていい?」

「いいよ。いつでも。」

「分かった。」

「雷帝」

「うっ、やっぱり強い。でも、雷神!!」

「おっと。」


ドン。バン。ドンドン。(殴る音)


「こんな技の精度僕に挑んできたの?」


ドン。バン。ドンドン。(殴る音)


「そんな戯言。言えないように...してやるよ」

「真・雷神」

「ライジング」

「くそ...強い...強すぎる。」


一度逃げる選択肢も...そう思って俺は闘技場から出ようとした。っが、出られなかった。


「くそ...くそ...何で出れないんだよ。」

「極雷」

「ぐっ。オーラで守ってもこの威力...」

「ふっ...弱っwww」

「(# ゚Д゚)」

「乱れ撃ちー!!」

「おっとやばいやばい」


何で当たらないんだよ…

何でお前はそんな平気な顔してられんのかよ…

何でお前はそんな才能に恵まれてんだよ…

やっぱ俺じゃ、世界なんか救えないんだよ…

父さん、母さん、リン、ごめん…

勝てないかも…

でも、ここでやらなきゃ何も変わらない。

平凡な人生で終わるのは嫌だ。

何とか打開策を見出すんだ。

でも、このまま撃っても当たるのか?

はぁ、はぁ、技を使いすぎた。

オーラが、”10”!?

まずい。もう使える技が1つか2つくらいしかない。だったら俺はこの一発に賭ける。


「渾身の一撃。雷風神」


雷神と風神のだ。


『お前、融合を覚えたのか。

…あのな。言いずらいんだけど、その技使うには、オーラ30以上は必要だぞ。』


ああ、ダメだった。



「——————ス。イクス。起きて。イクス。」

「おい、イクス。大丈夫かよ。」

「あなた達。誰ですか?」

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