第3話 神島信介、領内改革する
藤家の居城に早馬が向かった。
「伝令!昨日、神島家で内乱発生!当主信是殿討ち死に!」
伝令の言葉に少し驚いた。
「それは、真か?」
「真にございます。多数の斥候が申しておりました。」
「そうか、して信是殿を打ったのは誰ぞ?」
「はっ、嫡男の信介にございます」
「わかった、下がって良い」
「はっ」
伝令が去った後、家臣の一人が言った。
「神島家を取り潰す好機でございます。すぐに軍を進めましょう。」
と言い周りの家臣たちも賛同した。しかし、藤の答えは違った。
「いや、しばらく様子を見ることとする。」
「それは何故にございましょう。」
「あの戦上手の信是が一日で打たれたのだ。信介も信是と同等、いやそれ以上かもしれない。下手に兵を出して負けては藤家の恥、しっかり準備してから潰す。それでよいな?」
「「承知しました。」」
藤家の評定は終わった。その情報が届くのは次の日だった。
翌日
「藤はそう言っていたのか。」
「そうにございます。」
「なれば、少し時間はあるか。林、皆を集めよ。緊急の評定を開く。」
「承知しました。」
と言い支度に入った。
一刻後、主だった家臣が集まった。
「皆、休みの日にすまぬな。」
「そんなことございません、殿に呼ばれればすぐはせ参じます。」
「そうか、ありがたいな。皆を集めたのは他でもない、領内改革を始めるぞ。」
「「はっ!」」
「先んじて行うのは農業だ。何か意見はあるか。」
「恐れながら、それがしに一つあります。」
「おぉ、申してみよ。」
「僭越ながら、税を集める役人が腐敗しています。まず、そこから手を付けるはいかがでしょう。」
「どこが腐敗しているか申してみよ。」
「農民からとらなくてもよい税を取っています。そういった役人、税を一新するのです。」
「いらぬ税を取っていたのか、あい分かった。その意見採用いたす。各所に、目安箱を置きそういった役人を処罰いたせ。良いな!」
「「はっ」」
と言い皆退出していった。
「殿。」
「いかがした、林」
「藤が軍備を整えていると斥候が申しておりました。」
「然様か、近々攻めて来るやもしれぬな。警戒しておけ。」
「はっ、あともう一つお願いした気ことが。」
「遠慮なく申せ。」
「分かりました、そしたら殿、我が妹翠と結婚していただきたいのです。」
「何故だ?」
「殿もそろそろ、20になります。世継ぎのことも考えなくてはなりません。」
「そうだが、なぜ翠なんだ?」
「信是公の代から縁談の話がございまして、我が妹翠を殿に嫁がせることが決まっていたのです。」
「然様か、なれば近々祝言を挙げるとしよう、日付は吉日がよいであろうな。また追って伝える。」
「分かりました。翠をお頼み申し上げる。それがしはこれにて。」
と言い部屋を出た。吉日を神主に聞き、今月の23日が吉日なので23日に祝言を挙げることにした。
収穫の日、年貢は去年の倍になっていた。
「役人どもがここまで腐っていたとは、気づかずで悪かった。」
と農民に謝った。
税率を下げ、税収を上げる。どちらも、幸せになる政策だった。
しかし、藤との戦は刻一刻と近づいていた。
戦国時代で討ち死にしたけど転生した先が戦乱の世だったので天下を取ります! ゆうマツ @yuu_1224
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