第2話 神島信介、謀反を起こし独立す
「若、呼ばれていた者が皆揃いました。」
「そうか、林褒めて遣わす。」
「ありがたき幸せ。若、何故このように我らをお集めになられたのですか。」
「まぁ、その前に今の町はどう思うか。」
と聞いたら、家臣の一人上村が
「関所の通行税が高くなったためか、あまり活気がなかったような気がします。」
「そうであろうな、父上に掛け合ったのだが藤殿には盾突けないと。」
「そうでありましょうな。藤殿があっての我が神島家でございます。独立など夢のまた夢でございましょう。」
と守役の島が言った。
「されど、島これ以上民を苦しめたくは無いのだ。本題から逸れていたが戻すぞ。皆を集めた他でもない、我は父上を打ち藤から独立することとした。」
「若様、正気ですか!」
「あぁ、もちろん正気だ。父上は打ちたくはないがそれ以上に民を苦しめたくないと先ほど申したはずだ。」
「そうでございますか、なれば我らは若様についていくだけでございます。皆もそうであろう?」
「もちろんでございます!」
「この若様の守役、島最後まで若様を守りぞ!」
と言い皆賛同してくれた。
「よし、林今の状況を説明してくれ。」
「はっ、とりあえず我が領土はここの島と大陸の伊奈帆と呼ばれる場所に領土を持っています。そして、大陸では我が人族、魔人族、獣人族、オーク族、神人族、エルフ族などございます。そして、人族内でも争いが起こっています。その中で我々が敵対するのは藤直良と若様の父上神島信是です。藤は他に従属国を持っていますが、関係性はよくはないと聞きます。目下の敵は藤の5000と父上の1000程かと。」
「そうか、我らの軍は多くて1300か、藤が援軍に来る前に伊奈帆と島を抑えねばなるまいな。父方から抜けそうな者はおるか?」
「若の父上の政に否という者は数多おりまする。若が兵を挙げれば付いてくるかと。」
「そうか、母上と弟だけには伝えておくべきか?」
「やめたほうがよろしいかと、兵たちに伝えて保護するように伝えておいては?」
「そのようにしよう。決行は明後日とする、各々首尾よく頼む。」
「「はっ!」」
詳しい陣立てを伝え、決行の日を待った。残りの2日間は色々と根回しをして過ごした。
そして決行日、兵が約1500ほどが城内に集まった。
「皆の者、よく集まってくれた、我らはこれから民たちを苦しめた政をした父信是を打ち、藤から独立する!そして、我は天下を取る!」
兵たちならず、家臣たちも驚いていた。しかし、すぐに歓声が起きた。
「よし、皆の者信是の居城深山城に向かうぞ!」
「「おぉーー!」」
「出陣じゃ!」
と言い深山城に向け出立した。
半刻ほどで深山城に着いた。矢文を城内に向け放った。
「殿ー!」
「何を慌てておる。」
「こ、このような矢文が城内に!」
「なんじゃ、見せてみよ。」
と目を通した。そこには、信介が儂を打ちに来たと書いていた。
「然様か、致し方あるまい。すぐに戦支度をしろ!一兵たりとも城に入れてはならん!碧と兵庫は信介の陣に届けよ!」
「はっ」
城内は慌ただしくなった。
「母上と兵庫は我がの陣に来たか、翠、申し訳ない二人のことを頼めるか?」
「わかりました。」
翠は二人の方に行った。
「皆の者準備は良いか、狙うは信是の首ただ一つ!突撃だー!」
掛け声と同時に城に向かって突撃して行った。
「よし、破城槌隊城門破壊せよ!」
「「おぉーー!」」
「よし、もう一息だ!もっと強く押せ!」
「「おぉーー!」」
「城門開いたぞ!雪崩こめー!」
他の城門も突破した。それ以降は一方的な戦になった。
「大将首がいたぞ!」
「この首易々と渡さぬぞ!」
刀と刀が打ち合う音も聞こえていた。
「このような、太刀筋では我には勝てんぞ!」
「なればこれでどうだ!ふんっ!」
「まだまだ、これごとき造作もなっ、ぐはっ、、、」
「背後ががら空きだぞ。深山城城代信滝打ち取ったぞ!」
「「おぉーー!」」
「このまま、本丸まで駆け上がるぞ!」
「信滝が打たれたか、よし我らは信介本陣をつくぞ!敵がいない道は?」
「南東の道が敵がございません。」
「よし、一気に駆け降りるぞ!」
「「おぉーー!」」
と言い一気に駆け降りた。
「伝令!深山城代神島信滝を打ちとりました!」
「でかした!残るは信是の首のみ!」
「伝令!北西より敵勢発見!兵数は200!」
「大将は?」
「はっ!大将は信是にございます!」
「父上が自らか!よし、馬を引け!迎撃しに行くぞ!」
「「おぉーー!」」
と言い兵を率いて迎撃しに行った。
「信介!信介はいるか!」
「父上、我はここにいまする!」
「なぜ、このようなことをしたのか?」
「ひとえに民のためにございまする、もう一つは天下を取るためにございまする。」
「そうか、天下か!これは大きく出たな!」
「父上も共に天下を目指しませぬか?」
「断る!天下を取りたければわしを超えて行け!」
「父上がそうおっしゃるのならば、致し方あるまい!弓隊、鉄砲隊構え、放て!」
「臆するな!これが我らの最後の戦いだ突撃だ!」
最後の戦いが始まった。
「槍隊構え、よし押し出せ!騎馬隊敵両翼に突撃だ!」
「敵の騎馬隊が我が両翼に突撃してきます!」
「鉄砲隊構え、馬を狙え放て!」
一進一退の戦いが繰り広げられた。
「槍隊少し引け、騎馬隊押し上げろ!」
「槍隊、騎馬隊を防げ!」
五分五分の戦いだったが、信是軍は兵数が少なくじりじりと減らしていった。
「信是様、これ以上は!」
「わかっておる!しかし、信介ここまで成長していたとは」
「信是様!」
「これ以上申すな!ここが儂の死に場所だ!」
「あい分かりました!なれば最後までお供します!」
信是は最後の突撃を行い、信介のもとまでたどり着いた。
「父上、よくここまで来られましたな。」
「信介、父からの最後の願いじゃ。」
「何でございましょう。」
「介錯を頼みたい。」
「何故ですか?」
「子に切られるのは親として本望なのじゃ」
「わかりました、後日切腹の儀を執り行うこととします。日程は追って沙汰します。父上はそれまで屋敷でゆっくりしていてくだされ。」
「そうか、これは、ありがたい。」
「父上を屋敷まで案内いたせ。」
「はっ」
「よし、皆の者我によう付き従ってくれた、これから天下を狙う神島家盛り立ててくれ!」
「「おう!」」
「勝鬨をあげよ!」
「「えい、えい、おぉーー!」」
「「えい、えい、おぉーー!」」
しかし、この勝利は神島家を独立させる勝利だった。しかし、この勝利が大きな敵を呼び寄せるのだった。
2日後、
「これから、神島信是の切腹の儀を執り行う。介錯人はこの神島信介が務める。」
「信介、これからの神島家を頼むぞ。」
「分かっております。」
「儂が判断を間違えなければこんなことにはならなかったのかのぉ。神島家の、信介の覇業をあの世から見ておるぞ!さらば!ぐっ、、、」
「父上見事でございます。御免。」
当主、信是はこの世を去った。享年45だった。信是は穏やかに笑っていたという。
ここから、神島家の覇業が始まる。
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