「もう一度、君に恋していいですか?」
いももち
「もう一度、君に恋していいですか」
魔族という種に明確な終わりは無い。
魔族の大きな特徴である額に生えた宝石の如き角から大気に漂う魔素を体に取り入れ、生命活動を維持している。
生きるために食事は必要無く、食事が必要無い故に生き物として生じるはずの生理現象は起きず、自ら終わりを選ぶか殺されるかでもしない限り変わらぬ姿で生き続ける。
それが、魔族というある種完成された生き物の在り方だった。
だからこそ、と言うべきか。魔族の多くは恋というものについて疎い。
繁殖活動は人のそれと変わらぬけれど、特別必要と思わないし、それをしたいと思う相手もなかなかできることがないから、そういったことに興味関心がとんと無いのだ。そもそも他者に対する関心自体恐ろしく低いけれど。
そのために魔族の絶対数は少なかった。けれど、肉体の性能上魔族という種が滅びることはまずない。
だから多くの魔族は気の向くまま、己が最も関心を抱いているものに対してとことん突き詰めようとする。
例えば鍛治。例えば剣術。例えば宝石細工。例えば魔術。
最高の武人、最高の職人などと讃えられる者のほぼ全てがその道を極めんと、いや極めていたとしても更なる高みを目指して邁進し続ける魔族たち。
ラグレットもそんな魔族の一人。錬金術に魅了され果てなき探究に数百年もの時間を捧げてきた男であった。
その日も錬金術に必要な素材を集めるために単身森の奥深くへと行き、うっかりドラゴンに遭遇してしまった。
魔族はその性質上魔法を得意とし、戦闘が不得手な者であってもそこらの魔物相手なら余裕を持って対処できる。
だからラグレットは護衛も付けずに一人で森に分け入った。そこに自分の脅威になるような魔物がいないことを予め確認してから。
しかしその森にはいないはずのドラゴンがいた。
数多くある魔物の中でも最強格と呼び声高いドラゴン相手では、ラグレットは猫の前に飛び出してしまったネズミ同然。
自衛用にと持っていた錬金術で作った道具は、そこらの魔物なら楽々殺せてしまう物だが、ドラゴン相手では足止めにすらならない。
何故この時ドラゴンですら殺せる道具を持ってこなかったのかと、大した準備をしないで森へと分け入った数時間前の己を心底呪った。
ドラゴンのブレスが周囲を焼く。疲労で足がもつれて暑い地面に転がる。
恐ろしい熱量が眼前に迫っていた。そんな中思ったのは、ギルドに預けたまま使えなかった素材の数々。
「ここまで、なのか……」
まだまだやりたいことがあったのにと、死への恐怖よりやり残しへの後悔ばかりを抱きながら冥府への片道切符を切ろうとした時。
眼前に迫っていたはずの炎が、轟々と燃え盛っていた森の木々が、絶対的な死が、一瞬にして凍りつく。
そしてビキビキと不吉な音と共に凍りついたドラゴンの体に大きな罅が入ったと思えば、それを中心に全身にさらに罅が広がり、ぱりんぱりんと音を立てて砕け散った。
「大丈夫ですか!?」
粉々になったドラゴンだったモノを呆然と見ていたら、空から一人の女がラグレットの目の前に降り立った。
美しい雪景色を思わせる白銀色の髪を靡かせて、凪いだ湖面と同じ色がラグレットを映す。
「あ、ああ。君のおかげで助かった」
「ならよかった!」
心底安堵したというようにほっと息を吐いて、白くほっそりとした手が差し出される。
その手を取って、少しふらつきながらもラグレットはゆっくりと立ち上がった。
「ドラゴンは討伐しましたが、他にも危険生物があるかもしれません。なので、近くの町まで送らせもらいます」
「是非ともよろしく頼む」
「はい、お任せください!」
そう言って笑った顔は、まるで寒い冬を乗り越えて開花を迎えた花を見つけた時のような、どこかほっとする温かさを感じる笑みだった。
*
「こんにちはー。頼まれてた素材持ってきたよー」
「いらっしゃい。素材はそこに置いておいてくれ」
「了解」
ドラゴンに襲われ死にかけてから二年後。
ラグレットは助けてくれた女魔術師――ミモザとそれなりに親しくなり彼女が拠点としている町まで共に行き、無人になって久しい錬金術師の自宅兼工房だった貸家を借りて暮らしていた。
ミモザは日々錬金術の探究に明け暮れるラグレットの元へ、魔術師ギルドで仕事を受けていない時はほぼ毎日来ていた。
なんでもあまりにラグレットの生活が不摂生過ぎて心配らしい。
魔族故に食事を摂らずとも死なないし、病気にもなり難いとは伝えた。
しかしそれでも「でもなー、ほぼ寝ずに素材が尽きるまでなんかやってる姿はちょっとどころか、かなり心配になるんだよね」と言って、ミモザは足繁くラグレットの所へと通ってきては、ちゃんと寝るのかだとか。一緒に食事でもどうだと誘ってくる。
最初は鬱陶しかったけれど段々それにも慣れてきて、今では毎日必ず一食は(ミモザが来れば)食べるようになったし、ちゃんと寝なさいと口酸っぱく言われるので最低でも三時間は寝るようになった。
家にずっといるのも体に悪いからと、素材集めついでに遊びに連れて行かれたりもした。特に出店巡りはよく一緒に行ったものだ。
そのおかげなのかは分からないけれど、前よりもなんだか体が軽くなったような気がするし、ヒョロガリな体に肉がちょっぴりついた気もする。
「ラグはさ、コメって知ってる?」
「東方の食べ物だろう? それがどうした」
「ちょっと前に護衛依頼で隣町で行ったんだけどさ、そこで買ったんだ。コメを炊いてオニギリって物にしたのが結構美味しくて。コメ買って自分で作ってみた。というわけで、はい。毒見よろしく」
「相変わらずお前は色々と持ってくるな。そしてまずは自分で食べてから渡せ。俺を試しに使うな」
錬金術にしか無い、面白味の無い男の元に飽きもせずやって来るミモザは、そんな風に自分が美味しいと思った食べ物をよく持ってきた。
彼女が自身で作ってみた物に関してはよく毒見役にしようしてくるし、偶に酷い味だったりするけれど、それでも一緒に食べる食事は大概美味しかった。
本当にとんでもない味のものもあったし、絶対に毒だろという物も食べさせれたけれど。
「ミモザは今年の秋祭りは仕事なのか?」
「今年は休むよ。稼ぎ時ではあるけど、毎度毎度仕事ばかりじゃあつまらないからね」
「それなら一緒に屋台巡りでもするか?」
「……え、ちょ、大丈夫!? なんか変な物食べた!? それとも変な物作って試した!?」
「俺だって偶には秋祭りを楽しみたいと思っただけだ。だからそんな異常者を見るような目を向けるな。氷を出そうとするな。お前は俺をなんだと思っている?」
「錬金術バカ」
「合ってる」
そのうち、ラグレットからどこかに行こうとミモザを誘うようになった。
誘い始めた頃は変な物を食べたか、妙な物を錬金術で作っておかしくなったのかとものすごく疑われたが。
何度か誘っていたら誤解は解けて、そのうち二人でここに行こうかとちょっとした旅行の予定も立てるようになった。
「ミモザは何か作ってほしいものは無いのか?」
「急にどうしたの?」
「いや。魔術師なら魔術の威力を上げる物や、魔力回復薬を欲するのにお前はそんなことがないなと」
「だって実験にってラグが特に頼んでなくても作ったやつ渡してくるじゃんか。時々とんでもない失敗作も一緒に」
「失敗こそが成功の母だからな。なにより、失敗を恐れて実験をしなければ錬金術は進歩しない」
「人を君の作品の実験台に使うな」
「そう言うのなら人を毒見役にするな」
ただひたすら自身の好奇心を満たすために行っていた錬金術。
そこに彼女の役に立つ物を、彼女が今望んでいる物を作りたいという思いが少しだけ混じるようになった。
自分でもどうしてそう思うのか分からなかったけれど、そもそも錬金術とは人がより便利に、楽に暮らしていくための道具を作るために生み出された技術。
きっと人とちゃんと関わるようになったことで、本来の目的の物を作ろうと思い始めただけなのだろうと、そう思った。
誰かと共に日々を過ごしていたら、目的を持って物作りに励んでいたら、月日が流れていく。
気がつけばミモザと出会ってから十二年の月日が経っていた。
「私、二ヶ月後に結婚するの」
「……は?」
それだけの月日が経てば。
ラグレットからすれば、魔族という寿命があって無いような種からすれば、瞬き程度の時間が過ぎていけば、人のような短い寿命しかない者は様々なことが変わっていくのだと。
一緒に食事をして、出かけて、笑い合うことができる時間は少なくなってしまうのだと。できなくなっていってしまうのだと。
その時になってようやくちゃんと理解した。
「けっこん……誰かと、番になるのか?」
「そうそう。あと番も合ってるけど、夫婦って言った方が通じやすいよ」
「そうか。いや、そうじゃなくて。いつからだ?」
「……一年前にね、依頼先で知り合った人にものすごい勢いでアピールされまくって。私もいい歳だし、彼も素敵な人だからいいかなって」
「そう、か」
祝うべきことなのに。寿ぐべきことなのに。
――喜んで、見せるべきなのに。
どうしてか、胸の奥がズキズキと痛くて。鉛をいっぱいに飲まされたように重くて。
上手く祝いの言葉を紡げなかった。
*
リィゴン、リィゴン。
新しい家族が生まれたことを祝福する鐘が鳴る。
その音をラグレットは教会の外から聞いていた。
思い出すのは、ほんの三十年程前に結婚した友人のこと。
結婚するのだと教えられた時、ラグレットは祝いの言葉を送れなかった。
けれどそれではダメだとミモザが帰った後己に喝を入れ、贈答品を作ることにした。
結婚するならば、そのうち新しい命が彼女の元に訪れる。
そうなると子育てに追われるようになり、母親となる女性は心を病むことが多いらしい。
だから、いつか母となる彼女に役立つだろう物をいくつも作った。彼女の先達となる人たちに聞き込みをして、当時どういった物を必要としていたのかを聞いて。
ついでに、夫となる男が先立ってしまうと困るから、ありったけの護身用品と薬を用意して渡した。
「彼女から聞いていましたが、本当に優秀な方なんですね」
大量の品を困ったような顔で受け取りながらも、ありがとうございますと頭を下げた男は風貌は優しげだけれど、瞳には確かな芯の強さを感じさせる。ラグレットから見てもいい男だった。
ミモザと並ぶと、穏やかな雰囲気のある夫婦で。それがとても自然に見えて。
良いことだと喜ぶ自分と、どうしてと落胆する自分がいた。
どうして、自分が彼女の隣に並んでいないのだと。
そこで、そうなってからようやく。
本当にようやく、愚かなことに自分の気持ちに気がついたのだ。
教会の鐘の音が止む。
近くにあったベンチに座って、ポケットに入れていた紙を取り出した。
それは遺書だった。
結婚式の終わり。贈答品を渡すだけ渡して、祝いや言葉を好き放題に良い、逃げ出した愚か者を追いかけてでも、彼女の夫が渡してきた彼女の最後の言葉が綴られた手紙。
「どうか、きちんと読んでください」初めて会った時と変わらぬ、芯の強さを感じさせる瞳でこちらを射抜くように見つめながら、無理矢理握らされた。
『我が最愛の友、ラグレットへ。』
読まなければと思いつつ、最初の一行を読んでから続きを読むのが怖くて、今の今まで読めていなかった。
読まなければと思いつつ、ずっと逃げていた。
けれど、逃げ続けてばかりもいられない。
どんな言葉が書かれていようと、自分はそれを受け止めなければいけない。
胸の奥が痛くて、苦しくて、もういっそ死んでしまいたいと思う程に悲しくても。
あの時聞いたのと同じ祝福の鐘の音を聞いて、ようやく決算を固めてシワだらけになった手紙を開く。
『我が最愛の友、ラグレットへ。
お元気ですか? 私は、まあお元気じゃなくなりました。若い頃に無茶をし過ぎた反動だね。
歳をとると一気に色々と体にガタがきてしまった。ラグは歳をとる、なんて概念自体が無いから分かんないかもだけど。
……ずっとずっとお礼を言いたかった。結婚祝いにくれた物のこととか、今まで仲良くしてくれていたこととか全部。突然いなくなったからなにも言えなかったけど。
本当に、たくさんたくさんありがとう。君のおかげで苦労はあったけど、たぶん他の人よりずっと楽に子育てできたし、子どもたちをちゃんと巣立たせることができた。』
書かれていたのは全てラグレットに対する感謝の言葉。
突然いなくなったことに対して少しだけ愚痴る内容も入っていたけれど、それはきっとお礼を言わさず姿を消したからだ。
もっと責められると思ったのに。
突然いなくなってしまったことを怒られると思ったのに。
……自分はその程度の存在だったのかと、少し落ち込みながら手紙を読み進めていく。
『でもね、できれば君にも近くにいてほしかったよ。子どもたちの自慢話とか、愚痴とか、面白い話とか、聞いてほしかった。
突然何も言わずに、夜逃げみたいにいなくなるなんてさ。酷いじゃない。友達だったのに。
遊び相手にしたやろうとか思ってたのにさ、まっく。逃げやがって。こんちくしょー。』
なんて思っていたら、途中から若干の恨み節が混じり始めた。
こんちくしょーが地味にツボに入って、ついふはっと小さく笑い声を上げる。
じわじわと、笑ったせいで少し涙が滲んだ。
『まあ、愚痴はこれくらいにして。ありがとう。何度も何度も、しつこいって思うかもしれないけど。
私、ラグレットに会えて本当によかった。君と友達になれて、一緒に食事したり遊びに出かけたりして、とっても楽しかった!
君もそうだったら嬉しいな。めちゃくちゃ嬉しい。死んじゃうくらいに嬉しいよ。
どうか、元気で。体には気をつけてね。ちゃんとご飯食べて、ちゃんと寝るんだよ。体が壊したら君が大好きな錬金術もできなくなるからね。
どうかお元気で。 君の友達のミモザより。』
ぎゅっと唇を噛み締める。
人の寿命が短いことは、ちゃんと理解していた。理解していたつもりだった。
ぽたぽた。雫が落ちて、手紙を濡らす。
口から溢れ出しそうに感情をなんとか抑えようとして、それでも抑えきれなくて小さな嗚咽が唇の隙間から溢れた。
その時だ。一瞬、ほんの一瞬だけ、淡く手紙が光った。
慣れ親しんだ魔力の気配にハッとして、慌てて手紙に視線を戻す。
グラグラと手紙に書かれた文字が揺れて、上へと動き、そして余白が生まれた部分に新しい文章が書かれる。
『本当は墓場まで持って行くつもりだったけど最期だから。どうか伝えさせて。
好きだよ、ラグレット。きっと、一目惚れだった。』
バカめ。小さな声で呟く。
バカめ。バカめ。この、大バカ者め。
無理矢理押さえつけようとした感情が弾けて、口からとうとう大きな嗚咽が溢れ出た。
「おれも、おまえが……っ」
好きだ。
その一言が、たった一言だけが、最後まで言えなかった。
*
時の流れというものは遅いようで、恐ろしく早い。
彼女と過ごした思い出の町は、どんどん大きくなっていって今では国の中でも有数の商業都市となっている。
そんな町の職人街の外れに、ラグレットは住んでいる。
貸家だったそこを買い取って自分好みに改造しまくり、自宅兼工房兼店として大事に大事に使っている。
毎日毎日地下で何かしら錬金術で道具なり薬なりを作り、そして作った物を店頭に並べて売っている。
店はそれなりに繁盛していた。何せ何百年と錬金術師として生きてきた魔族が錬金術で作った物だ。
そんじょそこらの錬金術師の作り出した物とは品質も、効力も桁違い。
今日も今日とて店にはそれなりの客が来る。
ただ店に並べる商品はどれもこれも相応の値段なので、やって来るのは貴族や裕福な商人、それと時々ランクの高い冒険者。
カランカランとドアベルが鳴り響き来客を知らせる。
会計用の机の前に座って本を読みながら、店内を歩く来客へとなんとなしに視線を向ける。
黒髪に、前髪の一部だけが真っ白な少女が商品棚が立ち並ぶ狭い通路を歩いてまっすぐこちらに向かっていた。
机を挟んで少女と向き合う形になる。夜闇の迫る夕暮れのような瞳がひたとラグレットを見据えた。
その姿に何故だか古い友達の姿が重なる。
白銀色の髪の、凪いだ湖面を思わせる女魔術師の姿が。
「やっぱり君だったんだね。腕の良い魔族の錬金術師って」
……都合の良過ぎる夢を見ているのだと思った。
だって彼女は死んだのだ。
いつの間にやら知り合った見知らぬ男と結婚して、子どもを産んでしっかりと巣立たせてから。
墓にだって行った。今だってその墓を大事に管理している。
だからありえない。
そもそも彼女の姿と今目の前にいる少女の姿はあまりにも違う。全くの別人だ。
「昔話したでしょ。東方の考え方で、死んだ人間はまたどこかで別の人間に生まれ変わるって」
「――ほ、んとうに……ミモザ、なのか?」
「うん」
こくりと頷く。
その顔に浮かぶ笑みは、まるで寒い冬を乗り越えて開花を迎えた花を見つけた時のような、どこかほっとする温かさを感じさせるもので。
「ずる、いだろう。最後に、あんな風に告白するなんて」
「ごめん」
「一目惚れだと? 俺のような、錬金術にしか興味の無いバカな男を好きになるなんて、見る目が無さ過ぎる」
「自分のこと全力で貶すじゃん??」
両手で顔を覆う。
今、自分の顔が見られたものではない自覚があった。
「好きだ」
「……ぇ、?」
「お前が好きだ。今更、あまりにも遅過ぎるとは思う。もっと早くに気がつくべきで、気がつかなければいけなかった」
ずっと、それこそ出会った日から何年も想い続けていてくれただろう彼女のその気持ちに、自分の気持ちにもっと早く気がつかなければいけなかった。
他人との交流が薄過ぎたから、錬金術以外に興味を持ってこなかったから。言い訳はたくさん出てくる。
でも、そんな言い訳をして想いづけてくれた人に不誠実でありたくなかった。
隠すように顔を覆っていた手をどかし、真っ直ぐに驚き目を見開く彼女を見つめた。
「とても、本当にとても呆れるくらい遅くなってしまったけれど。一度、終わらせてしまったものだけれど。それでも、もう一度。もう一度だけ、お前に恋していいだろうか?」
くしゃりと、彼女の顔が今にも泣き出しそうに歪む。
それから、固く閉じた蕾がふわりと花開くように。己のような鈍感で、バカな男でもはっきりと分かるくらい、嬉しそうな笑みを浮かべた。
「こっちこそ。諦めて、手放そうとしてしまったけれど。それでももう一度、君に恋していいですか?」
椅子を蹴倒しながら立ち上がって、自分よりも小さくて華奢なその体を力一杯抱きしめた。
「もう一度、君に恋していいですか?」 いももち @pokemonn1
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