第3話 合わさる刻

 午前8時。

窓から光が差し込み、アラームが鳴る。

スマホの画面をそっとタッチし、二度寝をしようと目を瞑る。


脳内に響く声。

夢かと思ったが夢ではない。


不快になりながらも目を開き、体を起こす。

いつまでも語りかけてくる不穏な声に調は病院へ行こうと心に決めた。


心療内科が良いか。

しかし、幻聴であれば薬が疑われる。

でも使用して気持ち良くなってはいない。


んーむ、んーむと唸り声をあげて悩み続ける。

しかし幻聴は治らない。


(失礼な小僧だ…幻聴などではない。何故なら私が貴様に神憑かみがかっただけの事だからだ)


「やべぇ…まだ聴こえる。しかもなんか偉そうだし…これも俺の一部とか? いや、昨日アニメ観過ぎたかな」


(馬鹿な小僧め。幻聴ではないと言っておるではないか!! 早く納得して私の言う事を聞け)


「うわっ!! 幻聴って怒るんd(幻聴じゃねぇよ)」


神は埒があかないので脳に電気刺激を与えて頭痛を感じさせた。


「いてぇ!!」

(だから言ったであろう。私の名は『ザウス』異世界から来た神だ)


突如の自己紹介に調は幻聴ではないと自分の中にある存在について納得する事にした。


「それで異世界の神様が何故俺の脳に取り憑いたんだ?」


電気信号により頭痛がビビッと来て頭を押さえる調。


(取り憑いたとは失礼な。下級な霊ではないのだぞ。神憑かると言え)


頭痛が恐い調は恐る恐るザウスと名乗る神に質問を投げかける。


かくかくしかじか。


ザウスは調に事の経緯の説明をすると、調は最近の出来事を思い出し納得した。


「それでザウスはどうしたいんだ? 俺なんかに取り憑いて……(ビリビリ)……神憑って」


(お前には迷惑をかけるがこの世界に現れる瘴気の怪物を倒して欲しいのだ。今はこの世界には瘴気が足りず弱い存在しか来ていない様だが)


「なるほどね。それで…どうやって倒すんだ?」


脳内にイメージを送る。

すると視界にゲームのステータス画面の様な物が映る。


(瘴気に対抗出来るのは魔力と聖気。どちらも人が使える力だ。それを人に分かりやすいようにした。こちらに来る時にな…おかげでこの有様だ)


「ステータス……。それは俺だけにしか使えないのか?」


(そんな事はない。そうだな……千人に一人と言った所か。怪物を倒した者に限定し、千人に一人が使えるだろう。流石の私でもそれが限界だった)


「理解した。まず俺は何をしたら良いんだ?」


(まずは怪物をどれでも良い………殺せ。お前にだけは特別に『クエスト』を与えよう。達成したら報酬を出来ねばペナルティを与える)


「何で!! 勝手だな」


(良いのか? クエストを達成すればお前は他人よりも怪物よりも強くなれるぞ。どうせやるしかないんだ。強くなれ)


「分かったよ。やれば良いんだろやれば」


そうして調は世界の命運を握る事となる。


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【明道調】Lv.-

Skill.-

Magic.-


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