第2話 化身の刻

 とある異世界の神が力を使い化身となった。

それは世界の境界を越える為に大半の力を使い、様々な条件下で行った事だった。


全盛期は世界を創造する事も可能な程に全能だったが、今や影も形もないと言っても過言では無いほどに弱っている。


何故、そこまでして境界を乗り越えなければならなかったのか。

それは世界の崩壊を招くからだった。


管理者である神は世界の終焉と同時に力を失い、無へと消え去る。


原因となる出来事がある。


それは異世界と地球との境界の小さな小さな歪みだった。


歪みは小さすぎて神である彼ですら見落とした。それが世界の崩壊の始まり。


 歪みを大きくする原因とは、人々の負の感情である。戦争と死による呪いの様な負のエネルギーは世界を崩壊させる瘴気となる。


瘴気は魂を持ち、怪物となった。

巨大な瘴気は彼等に住処を与え、怪物は強大な力を持つ様になった。


それがダンジョンであり、怪物の進化である。


怪物は人を襲い、恐怖と死による負のエネルギーを瘴気に変え、自らを強化した。


 そして、彼等は溢れた瘴気を地球の次元と繋げたのだった。


化身となった神は残り滓の様な状態。

今にも消え入りそうな時に一人の青年と出会った。


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彼の名前は『明道あきみち 調しらべ』19歳、183㎝、75kg。黒髪黒目の日本人。性格はいい加減だが、敵対する者には容赦はしない。


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 彼の家に意識朦朧とした神の残滓が侵入し、彼の脳へと取り憑いた。

 

 それが彼の運命を大きく変えるとはこの時まだ知るはずもなかった。



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