DemoNs cRawL OuT-鬼が這い寄る世界で-
さらばバサラ先生
始まりの刻
第1話 逢魔ヶ刻
人々が寝静まり、闇が世界を覆いし刻。
異なる世界の扉が開いた。
扉には枠など無い。
しかし、そこに何か異質な物が存在する事は子供でも理解出来るだろう。
揺れる境界。
細い少年の様な右足がこの世界に踏み入れる。
次第に現れる全身緑色の怪物。
物語に登場するゴブリンの様な姿をしている。
右手には凶器であるナタを持ち、次々と仲間であろうゴブリンが境界線を超える。
グギャギャ。
醜い口から発せられる声。
5体のゴブリンが街へと消えていく。
その後、街は混乱状態に陥り、マスコミが報道し、警察が鎮圧に向かう。
被害者13名、いずれも重軽傷であり、運良く死者は出なかった。
マスコミは怪物を『鬼』と名付け報道する事にした。
次の日、報道の甲斐があってか外出する人は昨日よりも少ないがそれでも数は依然として多い。
流石は日本が世界に誇る首都、東京である。
だが、それが次の犠牲者を生む事になる。
インターネットの某掲示板では、連日スレが立ち、ゴブリンに対するコメントで溢れている。
やれ、異世界が来たや俺が英雄になってやるwwなどの陳腐なコメントが並んでいる。
怪物の登場に、世界は注目し、日本政府の動向を監視している状況である。
基本的に及び腰であり日和見の日本政府は、この事態に後手に回る。
被害者が次々と増え、ゴブリンの目撃情報は加速していく。
確実に5匹ばかりの数ではないと理解出来るだろう。
未だ警察が怪物の被害を鎮圧出来ないのには理由があった。何と彼らにはこの世界の拳銃は効果が無かったのだ。
増え続ける境界。
目撃情報はゴブリンだけに収まらず、狼の様な怪物、オーガの様な化け物、まるで異世界物語の化け物達がこの世界を侵略しに来たかのようだ。
事実そうなのだろう。
災害は一気に波紋を広げるように増え続ける。
東京都では収まりきらず、日本全体が被害を受ける事となった。
政治家や官僚達は混乱を纏める事はおろか、逃げ出す人間も出る始末。
一年後、すっかり廃墟となった日本。
もはや外国から支配される旨みすら無い。
諸外国は揃って救いも関わりも持とうとしなかった。
捨てたのである。
食べる物がもう無くなり、絶望の中、一人の天才が誕生する。
鬼に抗う者、そして鬼を支配する者。
人々は彼を鬼神と呼んだ。
そんな彼の物語である。
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