授業に潜入!

靖子と浩平が必死でノートを書き写してい


る席の横にそおっと坐る。


 大学の講義室は横に長い何年前からあるか


分からない古い木製の机がずらっと30列ほ


ど並んでいる。


 みどり達は、黒板に向かって左手の少し後


ろ目の席がお気に入りだ。


 教授が左端から黒板を書くからこの位置が


一番黒板が写しやすい。あまり前過ぎても黒


板が見にくいし、後ろ過ぎてもoutだ。




「遅い! 」


 靖子と浩平から冷たい罵声が飛ぶ。


「悪い悪い。今日、何ページくらい進んだ?」


靖子が無言で、青いCampusの大学ノートを


5ページほどつまみ上げる。


「OK」


 みどりと裕次、そっとカバンの中からファ


イルを取り出してルーズリーフに黒板を写し


始める。靖子くらい毎回きちんと授業に出て


る人には、失くさないCampusのノートの方が


いいが、みどりたちのようにノートが飛び飛


びになる不真面目な学生には断然ルーズリー


フの方が使い勝手がいい。

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