第55話

「何、あいつらまだくっついてねえの?」


ソファーにだらりと座りながら、そんな二人を見て拓海が声を出した。


「まあ、長目にみてやろうよ。幼なじみってのも、けっこう大変みたいよ。壁を破るタイミングっていうの?」


その横で、微笑みながら二人を見守る咲。





「まじかっ!」


その時、隅で何故かレディースのファッション誌を見ていた哲平が大きな声を上げた。


「うるせえぞ、哲平。」


「うるせ~。」


北斗に続いて、拓海が耳を塞ぎながら声を出す。






「おいおい、男の中の10人に一人が、ゲイとかホモらしいぜ。衝撃じゃね?そんでバイってのも入れたら、もっといるらしいぜ。これじゃウカツに銭湯も行けねぇじゃん!俺、おかずにされるなんてごめんだ!」





やれやれ、と拓海は頭を振った。


「いや、ゲイでも人は見るから。お前はおかずには選ばれねえよ。」

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