第43話

*****


北斗が、渋谷くんを殴った。


学校に来てみたら、もうクラス中がその話で持ちきりで。


…渋谷くんは今日学校を休んでいて、北斗は一週間の停学だって…。






学校が終わると、わたしは怒りで頭がはち切れそうになりながら北斗の家に直行した。


インターホンを鳴らすと、「は~い。」と言って何故か出たのは拓海くんの声。





「北斗いる?」


「いるけど、いないって言ってる。」






わたしは拓海くんの言葉を無視して、玄関の戸を開けた。


北斗のお父さんも義理のお母さんも仕事をしているから、この時間にいないことは知ってる。


何度も来たことがあるから、北斗の部屋の位置だってわかる。





玄関から入ってわりとすぐの階段をズンズンと昇り、一番手前の戸をノックもせずに開けた。


…ここが、北斗の部屋だから。

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