第32話

そこにいたのは、北斗の友達の拓海くん。


中学も一緒で、北斗が不良になって一番初めに出来た友達。


だけど拓海くんは、喧嘩よりも女遊びの方が好きらしくて。


見た目も色白の肌に大きめの垂れた瞳、いつも微笑を浮かべてて、女の子をたくさん泣かせてそうな雰囲気。


明るくてノリが良くて、わたしなんかにも気さくに話し掛けてくれる。





「どしたの?なんか、すっげー盛り上がってるじゃん。俺も混ぜてよ。」


拓海くんはニコニコ笑いながらわたし達に近付いてくる。


「それがね、香夏に彼氏が出来たの。」


うれしそうに、ペラペラ話し出す咲ちゃん。


「彼氏?香夏ちゃんが?」


「そう。同じクラスの渋谷くんって人。渋谷くんから香夏に告ったんだよ。」

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