第31話

そうこうするうちに、わたし達の教室はものすごい騒ぎになって。


他クラスからも、何だ何だと教室を覗きに来たりするようになった。


わたしは恥ずかしくなって来て、「咲ちゃん、トイレ行こ。」と咲ちゃんの腕を掴んで廊下に出た。


去り際に、男子にもみくちゃにされている渋谷くんがわたしに小さく手を振ってくれた。


わたしも、小さく手を振り返す。


わたしの顔は、ゆでダコみたいに耳まで真っ赤だと思う。





廊下に出たところで、教室を覗き込んでいるやたら目立つ金色の頭を見付けた。


「あ、拓海くん!」


…咲ちゃんの目が、またハートマークになってる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る