第22話

渋谷くんはそう言い残すと、北斗の横を横切り教室を出て行った。


突っ立ったまま、困惑の表情を見せている北斗。





北斗のその顔を見て、胸がざわついた。


北斗はきっと今、嫌な思い出を思い出している。


北斗のことは、何でもわかるから…。





「北斗、帰ろう。」


そう言って北斗の腕を掴むと、北斗は「ああ。」のような「うん。」のような曖昧な返事をしてわたしに従った。

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