第17話
「バスケ部の、渋谷くんだろ。1年の時からスタメンの。去年インターハイ行けたのは、渋谷くんのおかげらしいよ。今年も行くんじゃね?」
拓海は、DSにフーッと強く息を吹き掛けながら言う。
…何のゲームだよ。
てか、バスケ部って…。
「バスケか…。むかつくな。」
ポツリ呟いた俺の声は、何でかやたらと室内に響いた。
息を吹き掛けながら、俺を見る拓海。
哲平も、ちらりと俺を見るのがわかった。
「…かっこいいのか?」
「超イケメン。北斗にはない爽やかさがある。」
「…頭も良かったりするのか?」
「毎回トップ争いしてるよ、A組のメガネ君と。」
「…。」
あー、むかつく。
むかつく、むかつく。
また喧嘩吹っ掛けられねえかな。
誰でもいいからボコボコにしてぇ。
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