第16話

「雑魚ばっか、お前呼ぶまでもねえよ。」


ソファーの、拓海のいる側とは反対の端にどかりと座る。


まだ5月だってのに、この小屋はやたら蒸し蒸ししている。


10畳程度の空間に野郎ばっかりひしめき合ってたら、まぁ当然か。







「なあ、シブヤって誰だ?」


ぼそりと呟いた俺の声に、拓海と哲平が同時にこっちを向いたのが分かった。


「めずらし、北斗が学校のやつに興味持つの。」


そう言った拓海の口ぶりは、シブヤのことを知っているみたいだ。


「シブヤ?駅かあ?」


…哲平は頼りになんねえ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る