第15話
「どした~、北斗ぉ。女の子の日かあ~。」
ソファーにだらりと座ってDSをしていた拓海(たくみ)が、ちらりともこちらを見ずにニヤニヤしながら言った。
白金でややロン毛の女顔。
やたらめったら女を作るタイプ。
…何がいいんだか。
俺が拓海の顔面目掛けて勢いよくキックを繰り出すと、「おわっ、危ねえ。当たるだろ!」と拓海は寸手のところで身を交わした。
「また喧嘩かあ?なんで俺呼ばねえ。」
隅の方でバイク雑誌をめくりながらちらりと俺を見てそう言ったのが、哲平(てっぺい)。
坊主に近い赤毛の短髪。
一重の鋭い目の横には、もう消えない傷痕がある。
…見るからに悪そうな野郎で、無類の喧嘩好き。
でも動物好きでたまに仔猫を拾って来たりもするから、人ってわかんねえ。
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