第5話
「ていうかさ、本当に香夏と北斗くんって付き合ってないんだよね。わたし高一の時勘違いしてた。勘違いしてる子、他にも大勢いると思うよ。だって北斗くん、しょっちゅう香夏に会いに来るじゃん。」
「北斗は小学校から一緒だから…。なんていうか、兄弟みたいなものだよ。それにわたしをいいように利用してるだけ。」
「でも香夏くらいだよ、この学校で北斗くんと普通に話す女子。ひょっとしたらさ…。」
「ん?」
「渋谷くんだって、勘違いしてるかもよ。」
真っ直ぐわたしに向けられた、咲ちゃんのぱっちり二重の目を見つめながら、思わずキョトンとしてしまった。
…困る。
…それは、断じて困る!
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