第4話

「香夏(かな)、なに一人で赤くなってんの?そんなに渋谷が好き?」


どうやらわたしの様子をずうっと見ていたらしい、前の席の咲(さき)ちゃんが振り返って呆れたように言った。






「咲ちゃん!聞こえたらどうするのよっ!」


しーっと人差し指を当て、小声でおろおろと咲ちゃんに話し掛ける。


「渋谷かあ。爽やか過ぎてわたしは引いちゃう。男はもっとほら、ワイルドじゃなきゃさ。川瀬北斗(かわせほくと)みたいに。」


「なんで北斗が出てくるのよ。」


「ワイルドといえば北斗くんじゃない~。」






そう、わたしと咲ちゃんの好みのタイプは正反対。


わたしが高一の時から大好きで、高二になって同じクラスになってしかも隣の席をゲット出来たのが、渋谷くん。


バスケ部のエース、爽やかオーラ全快ボーイ。





そしてちなみに、咲ちゃんが言ってた北斗っていうのはわたしの隣の家に住む幼なじみで…。

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