第18話
穂香と昂季は、顔を見合わせた。
つまり和哉くんは、今はまたこの付近に住んでいるのに、朝日くんとは会ってないし連絡もしていないようだ。
「和哉くんは、朝日くんのこと忘れちゃったのかな……」
悲しい気持ちになりながら穂香が呟けば、女子高生もますます落ち込んだ表情をした。
カンカンカン……と、駅の方から遮断機の降りる音がした。
「私が、和哉くんの代わりになれればいいんですけど……」
消えそうな声で呟かれた女子高生の声が、遮断機の音に混じり微かに穂香の耳に届いた。
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