第32話
幾日が経っただろう。
ようやくのことで、グエンが再びヨウのもとを訪れた。
「久しぶりだな。顔色が、大分良くなったじゃないか」
上機嫌にも不機嫌に感じる独特の語り口。
タバコをふかしながら、グエンは床に座り込むヨウを見下ろすと、淡々と口を開いた。
「
ヨウは、固唾を呑んでグエンの話に耳を傾けていた。
リュウがチャンじいさんの義理の息子だったことを、ヨウは今初めて知った。
見た目からして、リュウはチャンじいさんの孫だと勝手に思い込んでいたのだ。
「そして、六年前。チャンの家は、突如火事になった。焼け跡から発見されたのは、チャンの遺体のみで、リュウはそれを機に行方をくらましている。だが、どうやらチャンは、火事になる前に何者かに殺されていたらしいな。犯人は、リュウで間違いないだろう」
そこでグエンは膝を折ると、ヨウの顔を真っ向から見据える。
いつになく、その瞳はぎらついていた。まるで獲物を見つけた肉食獣のようだと、ヨウは震える。
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