第9話
あの賑やかな集団の中にいる晴には、一人とぼとぼと自転車を押すわたしはどう見えるのだろう。
そんなにわたしが嫌い?
ついこの間までその笑顔をいつも近くで見ていたのに――。
何度も「好きだよ。」って言って抱き締めてくれたのに――。
今はあなたがこんなにも遠い。
でもね、どんなに辛い目に遭っても…晴、わたしだけはまだ好きなままなんだよ。
この気持ちはそんな簡単には変わらない。
あなたと過ごした日々は、きっと人生で一番幸せな日々だったんだね。
もう二度と戻れない。
キラキラと輝く夏の海のように綺麗な、宝石のような日々――。
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