第2話
――――…
――…
―…
パシャリ…
頭上に軽い痛みを感じた後、それはわたしの前髪を伝いだらりと額に垂れ下がった。
ねっとりとしたその不快感は、わたしの見た目だけでなく心の中までをも惨めにする。
「きゃはは!いい気味~!見た!?あのブサイクな顔!」
長いストレートの茶髪を揺らして声高に笑う明日香(あすか)は悪魔そのもの。
アイラインでグルリと囲んだ少しつり上がった瞳がわたしを見下げ、あざ笑う。
その後ろでクスクスと笑う取り巻き達は、まさに悪魔の手下。
きっと背中に黒い小さな羽を隠し持っているのだろう。
わたしは額を流れるその卵液を右手の裾でぬぐい取った。
続けて頭上に残る殻も払い除ける。
白い殻は明日香のちょうど足元に小さな音をたてて落ちた。
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