第18話

俺は必死に飛び跳ね、拳を高く突き上げる人々の間からマカオンを見ようとした。


すると、まずギターの人が見えた。


金髪のツンツンヘアー、正にパンクってかんじ。


最高に俺好みで、かっこいい。


二度目に飛び跳ねた時には、ベースの人が見えた。髪が少し、ボサボサだ。






三度目。


俺は、思い切り高く飛び跳ねた。


そしてやっと、ボーカルの姿をこの目に捉えた。


ボーカルの人が、一番背が高い。ていうより、ひょろ長いってかんじ。


ニット帽を目深にかぶり、マイクに向かい懸命に歌っている。


俺達には入り込めない、不思議なオーラを身に纏っていた。


全身全霊で音楽に入り込んでいる、そんな雰囲気だった。






イケメンには違いないけど、思ったようなイケメンでは無かった。


何ていうんだろう。


独特で、個性的で、とにかく無茶苦茶かっこ良かった。

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