2

第8話

翌週、俺とサトシと坂下さんというあり得ない組み合わせのメンバーが、駅に集結した。


私服の坂下さんは、いつも以上に可愛かった。


ピンクのミニスカートにニーハイソックスって、ヤバイだろ。


対して私服のサトシは、いつも以上にキモい。じいちゃんが着てるみたいな、グレーのトレーナーを着ている。






「杉山くんって、いつもオシャレだよね」


坂下さんにそう言われたから、俺は有頂天になった。


カラフルなチェックのシャツに、丈の短いジーパン、エンジニアブーツ。いつも派手めなのが、俺のこだわりだ。


女の子に褒められたのなんて、初めてかも。







新幹線では、三人席の窓側から、坂下さん、俺、サトシっていう順番で座った。


坂下さんの隣は緊張するから座りたくなかったんだけど、サトシの悪趣味な漫画を坂下さんが見てしまったらショックだろうなと思って、俺が真ん中に座ることにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る