第7話
「うん。そうなの。高校の文化祭に来るって聞いてどうしても行きたかったんだけど、周りにマカオン好きな友達がいなくて……」
頬を真っ赤に染めて、恥ずかしそうに答える坂下さん。
「杉山くんと新島くんがマカオンの話してるの、いつもうらやましいなって思ってて……」
「そうなんだ、なら、一緒に行こうよ」
にこっと、サトシが白い歯を見せて笑った。
こんなに爽やかなサトシを見たことは、未だかつて一度もない。
何なんだ、この嘘みたいなやり取りは。
「うん、楽しみにしとくね。詳しいことは、また話合おう」
サトシにそう声を掛けた後、坂下さんはチラリとだけ恥ずかしそうに俺を見た。
そしてすぐに、女子の塊の元へと去って行った。
「マカオン人気は、すごいなあ。今にきっと、伝説のバンドになるよ」
ぐふふとサトシが笑う横で、俺はいつまでも放心状態だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます