第4話

サトシは、いつも教室の隅で一人漫画を読んでいて、クラスの賑やかなグループからは完全にアウェイなタイプだった。


小太りに眼鏡、好きな食べものは恐らくビッグマックだ。


だけど小遣いの少ない俺は、サトシのその言葉に飛びついた。






「お前、CD買ったの?」


「そうだよ。≪あした≫以外の曲も、良かったよ」


「うわ、いいな、いいな~!! 貸して貸して!!」


「いいよ」






ぐふふ、と笑ったサトシは、女子にキモいと呼ばれている俺から見ても、超キモかった。


結果、俺とサトシはこの1ケ月で急速に仲良くなった。


女子達からは「キモさが2倍になった」と言われ、更に遠巻きに見られるようになった。

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