第3話

そもそも、サトシと俺が仲良くなったきっかけも、マカオン繋がりだった。


≪あした≫を聴いてマカオンに夢中になった俺は、掃除中でも教室の移動中でも、なりふり構わず≪あした≫を歌っていた。


結果、女子からは「キモい」と連呼された。


ぱっつん前髪に短めのズボンの裾。


俺独特のこだわりファッションのおかげで、以前から「キモい」とは言われていた。


それに、より拍車が掛かったかんじだ。






「キモい」って言われるたびに、繊細なハートがグサグサ傷付いてはいるんだけど、俺はこだわりの俺スタイルをやめるつもりは無い。


「杉山くん。≪あした≫のCD、貸してあげようか?」


一度も話したことのないサトシが、声を掛けて来た時には驚いた。

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