第7話
どこか、哀愁を感じさせる眼差し。
気のせいかもしれない。けれど、自然と喉の奥が苦しくなった。
「よかった。あいつも喜ぶよ、きっと」
りょーちゃんは、優しい。昔からそうだった。りょーちゃんの弾くギターの音色は優し過ぎるって、いつも思ってた。だから、アップテンポな曲がイマイチ合わない。
さんざんなじっても、りょーちゃんはいつも笑ってたっけ。
まあいいよ、楽しいからって。
お前らと音楽やるのが楽しいからって―――。
じっと私に注がれるりょーちゃんの視線。思わず、瞳を伏せる。
思い出が優しければ優しいほど、臆病な私は素直に謝れなくなる。
だから、心の中で小さくりょーちゃんに詫びた。
ごめんね。
三年前、突然二人の前からいなくなって―――。
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