第10話

そこにいたのは、若い男だった。






スラリとした佇まいで、長袖の黒いTシャツにカーキ色の緩めのズボンを履いていた。


柔らかな茶色い前髪の下で伏せられた、長い睫毛。


艶のある、きめ細かな肌。


スッと通った鼻筋に、林檎の様に赤い唇。





リンファは、こんなにも綺麗な男の人を見たことが無かった。

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