伊勢型戦艦 日向 モデル美幸号
美幸号・・・それは私の名前を冠した船だった。恥ずかしいったりゃありゃしない。
真白に聞けば錬成炉で作ったと聞いた。その作る最中に彦太郎含め、リズまでもが『美幸様の名前を冠する船が華奢な船じゃ恥ずかしい』との事でかなり大型だ。
ボラさん達が航行演習で今は対馬の方まで出かけてるとの事。全長は100メートル、全幅30メートル、吃水8メートル。
聞けば、第二次大戦時の伊勢型戦艦 日向を少し小さくした感じらしい。兵装はそのものではないが・・・。
「よし!ちょうど帰ってきやがったな!」
真白がそう言うと水平線から軍艦らしき形の船が見えてきた。
見た目は本当に戦艦だ。
ってか、こんな船で敦賀に行けば隠密作戦が台無しになってしまう。
「美幸様?顔が浮かないようですが?」
「彦太郎には言ったよね?隠密にしたいって」
「はぁ〜。ですが、真白殿も艶殿も織田がお手並み拝見と言っていると言うから派手にしようと言いまして・・・」
「は!?誰からその事聞いたの!?」
「え!?リディア殿からですが?」
リディア・・・あの高級ホテルに泊まっている時の定時連絡を任せた時か・・・。
「あちゃ〜・・・言っちゃいけませんでしたか?めんご!めんご!」
「はぁ〜。もういいよ。作戦を変更するから」
隠密作戦はなしだ。こうなりゃ逆に派手にするしかない。たかだか金ヶ崎城を攻めるだけだけど・・・それにせっかくあるんだからウィスキー型 ロングビン潜水艦を使いたい。
バサァーーーーーーーーーーーンッ
「うん?美幸様これは?」
「見ての通りの潜水艦だよ!本当はこれで攻める予定だったの!暁君から言質貰ったのに・・・だから使わないのはもったいないから派手に使う!この龍のモニュメントがあるでしょう?日の出と共に浮上して、太陽を背にミサイルを放つ!敵はミサイルを龍神かの如く思うでしょう。出鼻を挫くよ!」
「ははは!さすが美幸っちだ!おい!おめー等!聞いたか!?おい!そこのゴンズイ!ハオユー!聞いたか!?」
「は、はい!聞きました!」
「真白?先に作戦を伝えるよ」
私が考えた作戦は、まずこのウィスキー型ロングビンミサイル潜水艦で敦賀に向かう。そして日の出と共に浮上し、拡声器にて港にいる人達に警告する。
そして1発のミサイルを発射させる。目標は敢えて決めない。海の水平線に向かい発射させる。敵の度肝抜いている間にこの私の名前を冠した戦艦を敦賀港に接岸させて、後は隠岐の人達の初陣だ。
戦闘に慣れていない隠岐の人達・・・適性がある人ない人と分かれるだろう。それは現場の彦太郎や真白、艶に判断は任し、適性がない人は私の艦で待機させる。
そのまま敦賀を掌握し、北東の金ヶ崎城を攻め立てる。
城攻めに関してはまず、丸子館、二の丸、本丸、東館、武家屋敷全てに1発ずつSS-N-3巡航ミサイルをお見舞いする。
このSS-N-3巡航ミサイル・・・射程は650キロ、速度はマッハ0.99にもなる。まぁ、言わずもがなゲームではオブジェクトに近い潜水艦ではあった。だから私のドクターハウスの倉庫の奥深くに眠らせていたわけだけど。
このミサイルを1発ずつ撃ち、この一撃で敵の士気を挫く。恐慌状態になっているところを駆け上がり制圧する。道中、敵とかち合う場面もあるだろう。敵には申し訳ないが、隠岐の人達の肥やしになってもらう。経験を積ませないといけないし。
そこでもし、一乗谷の方から増援が来ようもんならそのまま一乗谷まで制圧してしまおうかとも思うが、これは隠岐の人達や朝倉次第だ。
バサーーーン
「はい!美幸様おつかれさまです!」
「リズ、毎回毎回ありがとうね!はい!次はリズの番だよ!」
ゴシゴシゴシ
バサーーーン
「ありがとうございます」
「とうとう本物の国取りの戦を始めるのですね!」
「国取りって言ったって敦賀だけだよ?大した事ないよ」
「(クスッ)一部分だけで終わった事なんてなかったでしょう?私は一乗谷や近江の方も攻めるのではと思っています」
「いやいやさすがにね!?確かに暁君と攻める時は大概違うところにまで手を出して、漁夫のプレイヤーとかも攻めてきて乱戦になったりはしたけどさすがに今回はそこまでしないよ!」
「確か隠岐の人達に経験をって言ってましたね?」
「そうだよ!竹蔵さんや幸次郎さん、正竹さん、知夫里島の雷蔵さん達や西ノ島の時高さん達も参加したいって言うから総勢70人くらいにはなるんじゃないかな?」
「そんなにですか!?」
「う〜ん。死ぬかもしれないと言っても、戦に参加しなくても対応は変わらないと言っても私の役に立ちたいって言うから、どうせなら逆に兵士にしてしまおう!って思ってね?だからリズは先に制圧する敦賀で待機してほしいの」
「畏まりました。20号拠点を出してください。そこで、怪我人の治療、領民の炊き出しなど裏方の事を松、竹、梅さん達としています」
「オッケー!いつもいつもありがとうね!」
「いえ。美幸様が喜んでくれるならば私も嬉しいですよ!」
「士気が高いから本当は2週間くらい掛かるかと思ったけど、今週中には行くと思う。大丈夫?」
「はい。美幸様が居ない間は真白と艶がかなり仕込んでいたみたいで、そこ等辺の国の兵にも負けず劣らずかと」
確かに、竹蔵さんなんか飛ぶ斬撃放っていたし、並の仕込みじゃないよね。
「とにかく、この士気のまま攻め込むよ。雑事や島に残る人の事は今回はリディアに任せるから!」
「大丈夫でしょうか?」
「あの子は食べ物さえ切らさなかったら大丈夫だよ!あぁ見えて面倒見のいい子?蜘蛛?だしね!」
「ヘッブション!!」
「ははは!なんだ!?そのくしゃみは!?ほれ!リディア嬢!これは今朝、ワシが獲ったサザエだ!美味いぞ!」
「誰か噂してるのかな?吉之助さん!?これわっちにくれるの!?」
「あぁ!食べてくれ!ワシと嫁の服の礼には程遠いがリディア嬢に食べてほしい!」
「ありがとう!美味ちぃ〜!!!もっとちょうだい!!」
「え!?これはワシが食べる分なんだが・・・」
「もっと欲しい・・・」
「チッ!しゃーねー!ほらよ!」
「やったぁ!!それより吉之助さんも戦に行くんでしょ?わっち、お土産は蟹が食べたいな!」
「いやそんな余裕はねぇ〜!ワシは名を上げるんだ!罪人の子と誰にも言われないように!」
モグモグ
「それはもう大丈夫だと思うよ?わっちがそんな事言う人は今後わっちの必殺技の1つ、養分吸収糸でぐるぐる巻きにするから!」
「ようぶんきゅうしゅう!?とは!?」
「わっちの糸を巻き付けて、相手の栄養を吸収するんだよ!干からびさせるんだから!あっ!それも欲しい!」
「おいおい!?ワシの食べる物がなくなってしまうーー」
「欲しい!」
「わ、分かったから!ワシの留守の間妻と子供を頼みますぜ!?」
「オッケー!!」
おっけー・・・確か了解という意味だったよな!?本当にこの人で大丈夫なのだろうか・・・
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