岐阜の有名ホテル
「そういう事だから真白もゆっくりでいいから攻め込む用意と、ボラさん達だっけ?ゴンズイさん達も役割決めてもらっていい?」
『おっ!?とうとう戦ですか!?美幸っち!あーしが絶対的な勝利の作戦を立案致しましょう!まずは、リンやリュウを使い真正面からーー』
「いやいや、真正面からとかやらないよ?まぁこの戦は織田も見てるからド派手にするつもりではある。けど皆を危険に晒すつもりはないからね?まぁ悪いけど今回は私に任せてくれる?」
『分かりました!』
「戦の前に一度島に戻るからとりあえず準備だけはしててね!」
私は電話で真白に敦賀攻略の旨を伝えた。織田が見てるし、私が起こす初の戦だ。暁君もアレコレ好きにしてるはずだから、私も敵も味方も度肝抜くような戦をしようと思う。
この日私とリディアは暁君の家ではなく、この時代に本来はまだ伝わっていないはずの英語でHotelと看板のある場所に泊まる事にした。ちなみに、てるちゃんはセバスチャンにお願いしてある。
てるちゃんは、私達と一緒に居たいようだったが、私達と居るより暁君の家に居た方が今後の事を考えればいいはずだ。
「いらっしゃいませ。2名様でよろしかったでしょうか?」
「はい」
受け答えは現代のお店のような喋り方の人だ。見た目は武士のような出立ちの人にも見える。
「当ホテルは先払いとなります。一人一泊10万円となりますので、大判10枚となります」
「ブッ!!高っ!!圧倒的に高ッ!」
思わず叫んでしまった。
「あぁ〜居た居た!ここに来ちゃったんだ?」
「え?セバスチャン?どうしたの!?」
「セバスチャン様!どうされましたか!?」
「左京大夫ちゃん?この女性二人は暁ちゃんの大切な大切なお客様なの。分かるわよね?」
「うん?まさか・・・あなた様は・・・六角左京大夫義賢様でしたか!?」
「いかにも。どこかでお会いしましたかな?」
「あ、いえ。初顔合わせでございます」
「美幸ちゃん?この人険しい顔付きの男子(だんすぅぃ〜)だけど良い男よ?この歳でいつかは世界を回ってみたいって言うからお金が必要でしょう?だからホテル経営してるのよ」
「そうだったの・・・。まぁとりあえず・・・はいこれ。大判20枚です」
「あ、いえ・・・今回のみ御二人様大判10枚で構いません。ですが、サービスは変わらずさせていただきます」
「ふふふ。左京大夫ちゃんも分かってるじゃない!そういう事だから左京大夫ちゃん?よろしくね?」
まさか、六角が味方になってるなんて知らなかった。しかも普通に横文字まで言ってるし。
「このホテルは名のある方もお泊まりするホテルになりまする。料理は全てセバスチャン様監修の元、免許皆伝された者しか雇っておりませぬ。警備の方は某、六角左京大夫義賢、自らの配下が行います。ごゆるりとお過ごしください」
「ありがとうございます。ちなみに名のある方とは?」
「はい。最近では越前に居りました公家の方や、京からは公卿の方も岐阜に観光に・・。武家では松永殿なんかも参りまする」
うわ・・・本当に名のある人達が来るところなんだ・・・。たまたま目に入ったから高級そうには見えたけど本当に高級なところなんだ・・・。
「ありがとうございます。ではよろしくお願いします」
「支配人!わっちはお腹が空いたのである!」
「ちょっと!リディア!少し待ちなさい!その話し方もやめなさい!」
「はは。面白いお方ですな。ではお部屋に案内してからお食事に致しましょう」
「すいません・・・」
それにしてもリディアは食べてばかりだよね。いったいその体のどこに収まっているのだろうか。
部屋は思いっきり洋風な現代のホテルのような作りだ。畳ではなくフローリングとは言えないけど、木の床だが、この床が柔らかい。そしてツルツルしてて気持ちがいい。
ガラス窓も普通にある。間接照明の光源とラグや壁の色の調和が素晴らしい。高いってだけある。なにより、部屋が大きい。
そして、ご飯だ。ご飯は言わずもがな。この世界に来る前ですら食べた事のないメニューだ。
ちなみに食堂もテーブルとイスがあり、さながら本当にホテルのように思う。白のテーブルクロス・・ナイフ、フォーク、前掛け、ワイングラスなど10万と言われても納得してしまう感じだ。
「美幸っち!どれもこれも美味しいですよ!!!食べていい!?」
「いいけど行儀良く食べてね!?」
他の客はそんなに居ない。というか、私達の他に2人しかいない。服装的にもお金に余裕のある人なのだろうか・・・。誰なのか気にはなるけど・・。
「ふむふむ。堺にも見ない飯だ!ワテも初めて見る!ウム・・・美味い!!さすがだ!」
話し方的に大阪の人かな?堺って言ってるし間違いないかな?まぁいいや。私も食べよう!
「よーし!帰ろう!」
「大橋殿?では我等に助太刀してくれるとの事でよろしいか?」
「いいですよ。大友や龍造寺なんかも平げでください!ただ、九州統一した後、俺の殿がなんて言うかは分かりませんが、こちらが理不尽な事言うつもりはありませんがなるべく従ってくださいね?」
「いやそれはもちろんだ!上方を敵に回すつもりはない!」
「オッケーです!では、踵を返し後日、新式の銃や大砲を持っていきます!後、余裕があれば一緒に四国を制圧しましょう!実は伊予国が欲しいのですよ!」
「伊予国ですか?」
「はい!俺の母親の出身が伊予国なのですよ!くれぐれも蹂躙しないでくださいね?」
「とにもかくにも我等はまずは九州を一つにする事を重きに・・」
「了解です!織田様も薩摩で育てる肉を楽しみにしておりますので!」
「了解した。後・・・如月によろしく伝えてほしい。その節はすまなかったと・・。いつでも帰って来て良いと・・」
「畏まりました!ではまた!!手が空いたら俺も配下を連れて手伝いましょう!」
「暁様は楽しそうですね」
「まぁな。まさか如月が来るとは思わなかったからな。小雪はどうも思わないか?」
「いやまさか!私も嬉しいですよ!昔のように、猛将、知将として名前が売れそうですし」
「いやさすがにそこまで暴れるつもりはないよ?とにかく早く帰ろう!」
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